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植本一子 + 南波一海 | 今日マチ子 | 「お忙しいところ失礼します。」Vol.3

写真家・植本一子氏と、ライター南波一海氏が、毎回気になるクリエイターの仕事場に突撃する連載コラム「お忙しいところ失礼します。」。

今回の訪問先は漫画家・今日マチ子氏のアトリエ。ほぼ毎日アップされている『センネン画報』は言うに及ばず、『みかこさん』、『ミドリさん』、『0時限』、『七夕委員』などなど、とにかく尋常とは思えないおびただしい仕事量(その多くはWeb上で読むことが出来る)をこなす先生の仕事場は、一体どんなカオス状態になっているのだろうか……。
なんていうのはこちらの全くの杞憂で、多くの人が抱くであろう漫画家のイメージを根底から覆すような、テレビドラマのセット級(?)の、はっきり言って“お洒落な”空間が待ち受けていた。

Photo:植本一子
Text:南波一海


今日マチ子

「打ち合わせとか原稿の受け渡しの便利な都心に。それと締め切り前にずっと部屋に閉じ篭っていたり、あまりにつらそうな顔してると親が心配してしまうので」との理由から、今年の春ここに越してきたという。
「色々探しててずっと決められなかったんですけど、ここは一目で気に入ってすぐ決めました。猫を飼いたかったので、ペットOKで、あと消しゴムのカスとかが散らばるので汚して良い部屋ということで」
とはいえ、まるで汚れていないこの部屋。どこまでも整然とされている一方で、家具や植物など、女性らしい美意識が貫かれたこの空間は、およそ漫画家の戦場とは思えない。
「花とか生けてる場合じゃないだろって感じですよね(笑)。カレンダー見るとわりとギチギチだったりするんですけど」
彼女の話を聞いていると、例えば花を生けることと、日々の膨大な仕事量をこなすのは、必ずしも矛盾した行動ではないということが見えてくる。基本的に一日中ずっと座りっぱなしの過酷なスケジュールをこなすために、この部屋の美しさが保たれているとも言えると思うのだ。それは、「喫茶店とかで考えたりする漫画家さんもいますけど、私の場合は自分の好きな空間で仕事したいので」という発言に集約されている。仕事に打ち込めるお気に入りの環境があってこそのハードワーク。私も見習いたいものです(ホントに……)。

矛盾に見えて実は理に適っていると言えば、仕事の順序。
「本当は締め切り順にやらないといけないんですけど、好きなものからやったりします。そこで勢いをつけてからお仕事に移っていくという」
ここで言う“好きなもの”とは、日々更新される『センネン画報』のこと。誰に頼まれるでもなく次々とアップされていく漫画は、受け手側の私たちが楽しむだけでなく本人のモチベーションアップにもつながっているというわけだ。それにしても、どうしてこのペースで描き続けられるのかがどうしても気になってしまう。
「私も謎なんですけど(笑)。無理矢理やってます。基本的には(話を)ストックしないので、その日に思い付いたのを。これから二時間くらいで描くぞって決めて。行き当たりばったりです。お仕事の方も行き当たりばったりですけど(笑)」

植本一子

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