
ファンタジスタ歌麿呂 | クアラルンプール「KL DESIGN WEEK 2010」|「WORLD CULTURE REPORT」Vol.5
Public/image.にゆかりのある様々なクリエイター、編集者、ライターなどがコントリビューターとなり、世界各地から旬なクリエイティブ情報を届けてくれる「WORLD CULTURE REPORT」。
今回は、先月クアラルンプールで開催された「KUALA LUMPUR DESIGN WEEK 2010」に参加したファンタジスタ歌麿呂が、現地の様子をレポートしてくれます。
Text:ファンタジスタ歌麿呂
こんにちは。
ファンタジスタ歌磨呂です。
マレーシアの首都・クアラルンプールで行われた「KL DESIGN WEEK 2010」に行ってきました。
今回僕は、カンファレンスと作品展示をしてきました。

デザインウィークは、5月1日~5月16日まで開催され、世界中からいろんなアーティストやデザイナーが来ていました。日本勢もたくさんのクリエイターが参加していました。
グラフィックデザイナーの稲葉英樹さん、「+81」のクリエイティブディレクターの山下悟さん、アスタリスク(pict-web)の小島明紀さん、DEVIL ROBOTSさん、HAROSHIさん、メディアアーティストの山口崇洋さんなど、素敵な顔ぶれでした。
マレーシアに対しての予備知識が全くなかったのですが、クアラルンプールはとても都会で、ビックリしました。そして、治安がものスゴく良かったです。街で買い物をしても、フェイクショップはたくさんありましたが、ボッタクるような人もほとんどおらず、スゴく良心的な国でした。
そして、デザインウィークのスタッフの方たちが手厚くもてなしてくれたので、かなり幸せな気分満開で滞在を堪能しました。
アジアの日本人気はスゴイものがあり、日本のアーティストに関しても、知識たっぷりなご様子でした。

行きの飛行機が、ビールの缶が飛び上がるほど大揺れしたり、空港に着いて、ホテルに向かっている時に、前方で車が大爆発したりしてたので、最初はちょっとドキドキしていました。
赤道に近いこともあり、現地はもう完全に夏という感じでした。1日に1度は必ず降るスコールで、みんな涼んでいる感じなんでしょうか。
僕のメインターンは、アニメーションのセクションでのカンファレンスで、イベントの最終日だったので、それまでは街の観光や、他の方たちのプレゼンテーションを聞いたりして過ごしていました。時間が結構あったので、街をブラブラしたり、展示などを見にいろんな場所へ行くことができました。


KLCC ペトロナスツインタワー(最近まで世界で一番高かったみたいです)にあるギャラリーでは、HAROSHIさん、デビロボさんの展示が行われていました。相当広いスペースで展示されてたので、うらやましかったです。


国立美術館では、「JAPAN YOUNG ILLUSTRATORS EXHIBITIONS」「メディア芸術祭」「+81」による「TOKYO VISUALIST」の展示が行われていました。
写真の「JAPAN YOUNG ILLUSTRATORS EXHIBITIONS」では、何百点(?)もの日本のイラストレーターの作品が展示され、このプロジェクトを手がけたpictの小島さんスゲーな~って思いました。すさまじい数の作品群でした!
今回、僕をこのデザインウィークにご推薦いただいたのも小島さんだったので、小島さんにはKLでお会いすることができてよかった!



街にはいたるところに市場があって、中にはフェイクショップ、食べ物屋さんがあり、「THE・アジア」って感じでかなり高まりました。
「こんなにたくさん作って、売れるの??」という感じでしたが、たくさんの人でにぎわっていました。

チョウキット・マーケットという市場があって、そこはKLでもかなりハードコアな場所で、一番楽しかった。
「治安が悪いから気をつけて」とか「どうしてそんなところに行くの??」と言われたりしましたが、人々もみな親切で、笑顔で、肉とか野菜とかにまみれて生き生きしていました。こういうリアルなスポットは、「生」のパワーを感じることができるので、必ず来たいと思っていたんです。
デザインウィークのスタッフに「どうしてそんなところに行くの??」って言われたことについても、後になってとても考えさせられました。

こんなファンシーグッズもいたるところに盛りだくさんでした。
届きそうで届かない何とも言えないこの感じは、かなり僕のクリエイティビティをくすぐりました。
そして、カンファレンスです。
プレゼンテーションなんて、人生で初めての経験だし、会場はかなりデカいし、ドキドキでしたが、今アジアで注目されている現在の東京を、僕の視点で話せればと思い、色々と試行錯誤して、プレゼンの内容を固めました。

稲葉英樹さんや、山下悟さん(+81)のカンファレンスも非常に素晴らしく、参考になりました。
カンファレンス全体の雰囲気は、割と落ち着いている感じだったので、僕の時はもっとくだけた感じでやりたいと思い、S・ウタマロ・仕様(覆面にオリジナルテキスタイルのセットアップのこと)で望みました。


アニメーションのセクションということだったので、僕の今まで作ってきた映像のワークスを軸に、東京の文化的な背景なども踏まえた話で進めていきました。
以前に個展でご一緒させて頂いた秋葉原のディアステージさんの話や、ギャラクシーさんの話、日本の萌えアニメ文化と自身のクリエイティブを混ぜこぜにして、映像や僕の今まで関わってきたプロジェクトなどを紹介したりしました。
「今、東京で何が起こっているか?」「オリジナルとは何か?」「文化とアート、デザインをどう捉え、物づくりに昇華させるか?」などについて、自分の視点で話しました。
もともと、マンガやアニメなどの日本文化を客観的に捉えたものづくりを根本にしていたので、海外の方にも取っ付きやすかったようで、終止にぎわった空気のなか、プレゼンテーションを行うことができました。
ただ、反省点も多々あったので、もしまたこのような機会があれば、もっと充実した内容にしたいと思いました。
ところで今回、とても会いたかったアーティストがいたんです。いま世界で最も注目されているアニメーション作家の一人で、ベルリンをベースに活躍しているアーティスト、DAVID OREILLY。実際に会ってみて、彼の作品に対する姿勢、生き様に衝撃を受けました。
アニメーションに対する哲学が徹底していて、これでホントに24歳?? という感じ。10代でロンドンのSHYNOLAに勤めているあたり、もうスゴイとしか言いようがなかったです。
自分なんて18の時、唐揚げばかり食べていました…。 もっと将来を踏まえた生き方が早くできていれば、と自分の生き方をかなり考えさせられるようなスゴイ存在でした。
そして日本のことに相当詳しく、かなりマニアックでした。

最後にみんなで記念写真をパシャリ。
そんな感じで、「KL DESIGN WEEK」では相当な刺激を受けることができました。
日本の今のクリエイティブや、世界のクリエイティブ、アジアの現状、いろんなことがなんとなく見えました。
自分の今後の人生を一度見直す機会にもなりました。
今では、世界はだいぶ身近に感じられるようになりましたが、それでもやはり世界は本当に広く、たくさんの文化、価値観がある。
「地球は回っている」って感じで、勉強になった次第です。
仕事ばっかりしていないで、もっと世界に向けて何か発信しなければと、焦りも感じました。
自分に対する自信やこだわりも大事ですが、とにかくもっと大切なことは、表現して、外に出していくことなんだなと。



そんなことを思いつつ、残りの何日かを過ごし、マレーシアから帰ってきました。
ボルネオでジャングルを体験したり、空港で妻が荷物が盗まれたり(なんと取り返すことができました!)で、楽しく過ごしました。
以上、歌磨呂マレーシアリポートでした。
Posted by:ファンタジスタ歌麿呂
1979年生まれ。フリーランス→会社勤務→フリーランス→現在さらなる活動の幅を広げるべくクリエイティブマネージメント A/M に所属。manga artist、Illustrator、Textile designer、graphic designer、animation director。マンガ創作集団mashcomixメンバーとして、漫画、アート、デザインをキーワードに活動中。














