
Felicity | DORIAN |「POWER OF PEOPLE」Vol.8
個性豊かなアーティストたちが集い、国内音楽シーンにおいて独自の存在感を放つレーベルFelicityと、Public-image.orgによるコラボレーション連載「POWER OF PEOPLE」。
毎回、同レーベルの旬のアーティストが登場し、これまでに影響を受けてきた「10人のクリエイター」たちを紹介してくれます。音楽というジャンルを超え、様々な分野との交流も盛んなFelicityのアーティストたちのバックグラウンドや意外な趣向をお伝えしていきます。
今回は、七尾旅人×やけのはら『Rollin’ Rollin’』のアレンジ/リミックスをはじめ、さまざまなアーティストの作品に参加しているサウンドメーカー、DORIANが登場。待望のファーストアルバム『Melodies Memories』のリリースを控える彼が、自身の音楽に影響を与えたクリエイターたちについて語ってくれました。
Interview:大草朋宏

DORIANが影響を受けた”潜在意識に存在している”10人のクリエイター
小室哲哉
小学生のときに初めてテレビでTMネットワークを見て、シンセが周りを取り囲んでいる小室さんがカッコ良かった。その日は、木根尚登さんが体調不良か何かで出ていなくて、特別バージョンだったんですけど、そういうアレンジ違いみたいなものを知ったのも、打ち込みという概念を教えてもらったのも小室さんからです。それまで特別音楽に興味があるわけではなかったんですが、小室さんを見て聴いて、完全に一番面白いものが音楽になりました。そういう意味で、音楽を始めるきっかけにもなりました。一番最初に耳にしたダンスミュージックに近いものとしての僕の原点ですね。
テイ・トウワ
中学2年生のときに、隣の席の女の子を好きになりました。その子には10歳くらい年上の上京した姉がいて、その子に貸してもらったのがテイ・トウワでした。だからまったく不純な動機(笑)。それまでは、基準が小室哲哉だったので、avex関連のジュリアナとかジャングルのコンピを地元のブックオフで買っていたんです。そんなときにテイ・トウワさんは、垢抜けていて、洗練されすぎていた! 黒さもあったし、サンプリングの質感も違う。自分には到底作ることはできないだろうなって思いましたね。
ダウンタウン
テレビを見ていて一番笑ったことがあるのは、やはりダウンタウン。笑いのツボを教育されたような気がします。直接的に影響を受けたかわからないけど、今でもYouTubeで検索して見てしまうし、お気に入りリストにはダウンタウンが多いので、何かしら心に残っているんだと思いますね。音楽的にも、小室哲哉さんともテイ・トウワさんとも絡んでいる。ゲイシャガールズとか普通にカッコ良いですよね。ダウンタウンは、たまに欲しくなる感覚なんですよね。
MOODMAN
18歳で上京して、21、22歳くらいまでは音楽を作っていたんですけど、その後、様々な事情によりイヤになってしまって、あまり音楽を聴かなくなったり作らなくなった時期があったんです。その頃、たまたまMOODMANがDJをやっていた「ハウス・オブ・リキッド」に遊びに行って、スゴく踊ってしまったんです。それまでクラブの面白みなんて正直わからなかったけど、本当に楽しいと思えた瞬間でした。そしてもう一度音楽をやりたいと思うようになりました。曲の作り方もこの辺りから変わってきたんです。それまで音楽を作ることが大好きで、音楽を聴くという楽しさを味わっていなかった。でもMOODMANで踊ることで、音楽を楽しむことの意味を知って、その楽しさを曲作りにフィードバックできるようになってきたと思います。
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CHERRYBOY FUNCTION
彼のライヴを見て、いままで自分がやってきたことが肯定された気がしました。音楽性はもちろん、MC-505を駆使してライヴをやっているビジュアルを見て、「これでいいんだ」って。長年、自分が部屋で黙々とやってきたのと似たようなスタイルで、彼は人をこんなに踊らせていて、大勢の人に伝えている。再び音楽を始めたいという気持ちを後押ししてくれました。今の僕のライヴスタイルは、彼に大きな影響を受けています。ファンです。
ワルター・ワンダレイ
20歳くらいのときに、ブラジル音楽に魅かれて、ずっと聞いていた時期がありました。そのときに出会ったのがワルター・ワンダレイ。ボサノバってだいたいギターじゃないですか。でも彼はオルガニストで、鍵盤奏者ってところにも共感しました。自分が楽器を弾いて絶対に出ないコード感を、どうにか身に付けたいと思って聴き込みましたね。スゴく泣いていて、スゴく笑っている。複雑な感情が同居しているんですよ。こういうのできたらいいですよね。

桑田佳祐
なんとなくYouTubeでサザン・オールスターズの曲を聴いたんですよ。そうしたら昔の思い出と重なる部分もあって、いい歌だなって。『海』とか『慕情』って曲が好きなんですけど、昔はそれほど意識したことはなかったんですよね。サザンを改めて聴くようになったのは、ここ5年くらいなんです。時間が経たないと意味がわからない音楽があるんだなって思いました。特に桑田佳祐の男と女の書き方は好きです。
山下達郎
歌詞、メロディ、アレンジ、演奏、プロデュース。もうパーフェクト。音楽的なレベルの高さに感心しています。日曜日の午後、家族で出かけた帰りに車の中で、オヤジがいつも山下達郎のラジオ番組『サンデーソングブック』を聴いていたんです。その記憶が強く残っている。ここ最近、改めて聴くようになって、山下達郎はYouTubeで済ませることなく、レコードを買ったりしています。なぜかレコードで買いたくなる。ちなみに、『FOR YOU』というアルバムジャケットのイラストが、僕の『Melodies Memories』のイラストとタッチが近いものになっています。
シャカタク
子供の頃、親が車でよくかけていたんです。硬質なキラッとしたピアノ、アーバン感、胸に引っかからない感じとか、直球でカッコ良いというわけではないんですけど。でも好きです。完全に染みついちゃっているんです。周りの知り合いに、シャカタクっぽいとか、山下達郎っぽいとか言われることがあるんです。やっぱり、思春期以前に聴いていた音楽が、自分のなかで強く影響を与えているみたいです。
高中正義 
これも子供の頃、親がよく聴いていました。ひぐらしの鳴き声から始まる曲が頭に残っていて、去年、誰の曲かも知らずに、親に電話して聞いたんです。「ひぐらしから始まる曲って誰のなんて曲?」と。そうしたら、高中正義の『伊豆甘夏納豆売り』という曲でした。僕の曲は、「泣きが入っているよね」と言われることがあるんですが、それももしかしたら、高中正義さんのメロディから受けた影響が表出しているのかもしれませんね。
Release Information
甘く切なく、キラキラしたなかにも懐かしい感情を呼び起こすサマーサウンド。単なるディスコという枠にはおさまらない日本人的郷愁を味わえる。
『Melodies Memories』
アーティスト名:DORIAN
レーベル : felicity
リリース日 : Sep.15th 2010
Artist Profile
DORIANRolandのオールインワングルーヴマシンMC-909を使ったライヴで都内を中心に活動中。ドリーミーでロマンティックなアーバン・ダンス・ミュージックで各方面から支持を集めている。2009年、初の自主制作盤CD-R『Slow Motion Love』を発表。トラックメイカーとして七尾旅人×やけのはら「Rollin’Rollin’」のアレンジを担当、リミックスも手がける。ZEN-LA-ROCK、DEDE MOUSE等の作品への参加VMCへの楽曲提供等々。2010年自身初のフルアルバムもリリース予定。
Posted by:Felicity
2002年の設立以来、ジャンル、洋の東西を問わず知的好奇心を刺激するような良質な作品をコンスタントにリリースしてきたレーベル。 音楽ソフトだけにこだわらず、アートブックや写真集など、その アーティスト、また作品に適したフォーマットでのリリースなど、やりたいことにはチャレンジし続けるスタイルで、今後も多くの作品を世に送り出す予定。公式Twitterアカウントはこちらから。












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