
CQ | PMKFA |「IMAGINATIVE POINT」Vol.2
さまざまなアーティストTシャツなどを扱うオンラインショップ「CQ(http://seekyou.jp/)」とPublic-image.org による連動企画「IMAGINATIVE POINT」。毎回「CQ」にゆかりのあるクリエイター達の創造の源泉に迫るインタビューをお届けしていきます。
連載二回目は、スウェーデンに生まれコペンハーゲン、ロンドンで活動した後、現在東京を拠点に活躍する世界的グラフィックデザイナー PMKFA。Universal music、UNIQLO、Atlantic records、Kockyなど多数のクライアントを持ち、元より携わっている音楽関連、パッケージ、マガジンやブックなどの分野以外にも、2006年からスウェーデンの家具ブランド「Vujj?」のアートディレクターを務め、自らの衣服ブランド「It’s Our Thing」を立ち上げるなど、近年は活動のフィールドを更に多方面へと広げている。デザインを手がけたSIXPACK FRANCEのTシャツも人気の彼に、東京での生活やクリエイティブソースについて聞きました。
Text:Eko
東京に長く住まれているそうですが、東京の印象はいかがですか。
東京に住んで5年くらいになるけど、快適だよ。とても住み心地がいいね。いろいろなものが詰まっているのに、どこか平和な感じがする。たとえば渋谷や表参道にはものすごくたくさん人がいるのに、少し歩くともう緑があったり静かなお寺があったりする。僕は田舎の出身だから、あまりにも常にビジーだと疲れてしまう。東京にはそんなホッとできる場所がたくさんあって、それが僕にとっては貴重に思えるんだ。
作品作りにおいて、東京の環境がなにか作用していますか?
今までに僕が持っていたスカンジナビアのルーツのようなものを、そっくり置いて東京に来たこと。その変化自体がすごく自分にとって大きいんじゃないかな。僕はスカンジナビアでデザインを学んだ。そこにずっといたらその方法に縛られてしまう。でも今、こうして東京にいることで、もっと自分の自分の思いに従うことができるんだ。自由なスピリットでいられるよね。東京のみならず、移動することで得られるロジックの変化は、デザインに大きく作用すると思う。この10年、デンマークとロンドンを移動し、そこで起きた考え方の変化はクリエイティブに影響を及ぼしていると思う。また、変化ということで言えば、いかに日本が快適とはいえ、ここが自分のルーツではない。だから半年に一度は日本を出てリフレッシュすることも必要なんだ。1ヶ月の旅をしたとして、最初の1週間はなんだかんだ仕事のことを考えてしまう。2週目になってようやく休めるようになって、3週目まで思い切り遊び、最後の週には今度は帰ることを考える。それぐらいの期間のリフレッシュが大切だね。
そのように環境を変えることは、あなたにとって大切なことですか?
それは、マインドの問題でもあるのかもしれない。たとえば退屈な仕事をしている時、そういう時はだいたい1週間か2週間かずっとつめて仕事をしないといけないんだけど、そんな時に限って何かがはじけて、すごくいいアイデアにつながったりするね。変化のないときはストレスだけれど、ストレスだけを感じるのではなく何でも楽しんでいくことができるマインドも必要かも知れない。環境に変化がなければマインドを変化させるんだ。

特に今、興味のあるデザインのジャンルはありますか?
ジャンルにはこだわっていない。第一週目にたとえばシックスパックと仕事をするとする。それはもちろんトレンドを意識したり、ファッションを意識したりする。二週目には家具のメーカーのロゴを考える。それはもっと細かなデザインを要求されるものだ。三週目には子供のための遊びの施設の仕事をする。その時には、子供のことや、子供を持つ親たちのことを考えたりする。考えることやデザインすることは、多岐にわたっているね。違うジャンルの仕事は僕の中に違うリズムを作り出してくれる。いろいろな考え方ができる。仕事の中での変化も、僕には大切なものだね。考え方をシフトしていくことはときにはハードなことだよ。だけどそれは刺激的だよね。多くの人が働き方に「トレードマークスタイル」を持っている。でも僕はそれを持ちたくないんだよ。僕のWebサイトも、完璧なものを作るというんじゃなくて、どんどん進化していくように作っている。
ご自身はファッションはお好きですか?
実は自分自身ではあまり服は買わないよ。個人的にレディースの方が楽しいと思うんだ。リッチだし、種類もたくさんあるし、ディテールも優れている気がするね。

CQ でも掲載中のTシャツをデザインした時のことを何か教えていただけますか?
CADILLAXXをデザインした時は、円が急激に高くなっていたんだ。当時僕はユーロでギャランティーをもらっていて、それは僕にとっては損な話だった。だけど、その時に感じた円のエネルギーや、これはすごいものが何か来てるぞ、って言う感覚を伝えたかったんだ。やるな、日本という感じさ。だからトンネルからゴーっと出てきた列車のような勢いを表したかった。これは、考え込んでデザインしたんじゃなくて、ひらめいたものなんだ。お昼ごはんの前に、ぱっとデザインできた感じなんだよ。この列車はちょっと、大きな車みたいだよね。背景の時代は僕が100歳になる歳をイメージした。未来に関するSFのようなものかもしれない。僕は10年区切りで、時代というものについてよく考えるんだ。1980年に戻ったとして、何か少し変わったら、そこから違う未来を想像してみる。今現実の未来については、みんなはあまり明るいイメージがないかもしれないけれど、だからこそ少し角度を変えて、未来を想像することが大事なんじゃないかって思っている。こうして自分の作ったTシャツについて、こういうことを長く語れること、そして大きなスペースを割いて書いてくれるのは面白いよね。たとえばParallel Strokesのタイトルはシックスパックがスペルを間違えたんだよね。パラレルの。僕にとってはタイトル一つとっても大切なものなんだ。パラレルワールドの意味であると同時に、二つのことが当時進行していくという意味さ。こんな風に意味深いと同時にバカなことが好きなんだよ。
何かあなたのTシャツを着る人へのメッセージをいただけますか?
ただただ、僕のTシャツを楽しんでくれたらいいなと思う。それから、ぜひ退屈な仕事も楽しんでね(笑)。
PMKFA T-shirts Collection

(左)「CADILLAXX」、(右)「Parallel Strokes」

(左) Dar El Saalami「これは実は三部作の最終章になっている。ダラッセサラーミ氏は、ダラッセラーム(ケニアの首都)とサラミをかけている。そこはアルカイダで有名な地域なんだよ。だからこんな感じのデザインになった」(右)BURGENT「これはバーガーとアージェント(危篤事態)をかけてバージェント。手を挙げろ、というような事態で、彼は震えているんだよ」
Artist Profile
PMKFAPMKFA こと Micke Thorsby は、1979年スウェーデン出身、コペンハーゲン、ロンドンで活動し、現在は東京を拠点に活躍するグラフィックデザイナー。音楽関連、パッケージ、マガジンやブックなど多方面で活躍し、過去のクライアントは Universal music、UNIQLO、Atlantic records、WoodWood、Nudie Jeans、Ubiquity records、Arkitip、Lo-Fi-Fnk、Kocky など。 2006年からスウェーデンの家具ブランド “Vujj?” のアートディレクターを務め、ロンドンとミラノにて展示会を開催。また、グラフィック作品を多用した自らの衣服ブランド “It’s Our Thing” を立ち上げる。ストリートウェアブランド Sixpack France とのコラボレーションでは、毎シーズン、服とプリントを手掛けている。
Posted by:CQ
さまざまなクリエイターのTシャツを扱うオンラインショップ。Tシャツは単に“身にまとう衣服”という存在を超えた、クリエイターの精神性やカルチャーそのものを伝達する“PROPAGANDA(伝道体)”の役割を持つものであるという考えの下に、身につけることで自分自身のルーツを悟ったり、自分の未来を切り開くための手がかり・きっかけを与えてくれる存在としての“Tシャツ(PROPAGANDA)”作品を発掘し、発表し続けている。http://seekyou.jp/












