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PUBLIC/IMAGE.編集部 | P/I. SANPO |「PUBLIC/IMAGE.EXTRA」Vol.20

こんにちは、PUBLIC/IMAGE.編集部です。この連載ではPUBLIC/IMAGE.EXTRAのコーナーを借りて、PUBLIC/IMAGE.編集アシスタント&インターンが毎回異なった趣向でさまざまな人やイベントをピックアップしてお届けしていきます。
第3回目となる今回は、今ちまたで話題を呼んでいるヌケメ帽の作者で、ジンの発行やカラオケスナック、おしゃれ囲碁といったイベントを開催するなど「ファッションの人」でありながらも、予想外の方面への展開を見せるヌケメ氏の制作にゆかりある場所を散歩をしながら巡っていく『P/I.SANPO(ぴいさんぽ)』を、動画も交えながらお送りします。

Text&Movie:松井友里(PUBLIC-IMAGE.ORG編集部)
Photo:小島直子(PUBLIC-IMAGE.ORG編集部)

ヌケメさんが素材を購入するのにいつも使っている、新宿オカダヤから散歩スタート。

商品でいっぱいの店内を迷うことなく進んでいくヌケメさん。普段からオカダヤにはよく来ているんでしょうか。
「製作中は週1、2回くらいのペースで来てますね。普段は試し縫い用のシーチングを月1で買いに来るくらいです。ウールだけは近くの服飾専門学校の購買でこっそり買ったりしていますが(笑)、制作に使う素材のほとんどはオカダヤで買っています。気に入ってる素材はいろいろあるのですが、あえてあげるとスエットやチュール、パワーネットですね。
チュールは今度作る予定のレディースのスカートに使おうと思っています。チュールやパワーネットは中途半端な色みがたくさんあるのがいいです。
チュールならバレリーナのチュチュとか、スエットならパジャマとか、生地自体にイメージが定着しているものをデザインで覆すのが面白いと思っています。
あとはいかにも人工的な素材っていうのは本当は嫌いなんだけど、なぜか気になるので作品には使ってしまいます」

ここでヌケメさんは制作に使うガーゼ2種類をお買い上げ。店を出たところで買った素材について解説してもらいました。

新宿から移動し、次はヌケメさんが立ち上げから企画に携わっている馬喰町のギャラリースペースCULTIVATEへ。

JR馬喰町駅から歩くこと約5分程でCULTIVATEへ到着。この辺りは元々繊維を中心とした卸し問屋街だそう。

2009年のオープン以来、続々と展示やイベントを企画してきたCULTIVATE。立ち上げのそもそものきっかけはなんだったのだろうか。

「元々ここはカガリユウスケさんとmokelyさんがやってるP2Gっていうギャラリー兼アトリエのスペースなんですよ。
それで、このスペースでP2Gが展示をやっていない期間に何かやらないかっていうお話をカガリさんからいただいて、仲間を集めて始めたのがCULTIVATEなんです。
なのでP2GとCULTIVATEはレーベル名のようなもので、企画によってP2Gが主催していればこの場所はP2G、CULTIVATE主催の時はここはCULTIVATE、というように一つのスペースをシェアしているような形です。
分かりにくいとはよく言われますが、あえてそれがいいんじゃないのかなと思ってWEBも含めあまり親切に解説はしていません。
オープンは基本土・日・祝日のみで、平日は不定期に開けているんですが、自分たちが無理なくやれる方法を考えてこういう形になりました」

取材当日ギャラリー内で開催していたのはP2Gの企画「JUNKMAN PROJECT X’MAS&P2Gギフトセレクト」。こちらの企画にヌケメさんも参加していたため、この日はヌケメ帽も販売されていました。
バンド・市内関係の辺口芳典氏の散文とのコラボレーションによって制作されているヌケメ帽。一度目にしたら忘れられないその独特のフレーズは、メールで提供される辺口氏の散文から、ヌケメさんが任意の部分を選んで抜き出し、帽子に刺繍しているそう。これまでに制作されたヌケメ帽は全部で約60種類。

「刺繍自体は千葉県の松戸にある工場にお願いしてるんですよね。普通は60種類も全部ばらばらでっていうとなかなかやってくれないんですけど、そこはお願いするとなんでもやってくれるところなんですよ。僕もまだ訪ねたことがないんですけど」

その他にもヌケメ帽について、裏話をヌケメさんに聞いてみました。
『ヌケメ』誕生のきっかけと、売れ筋ナンバーワンのヌケメ帽、さらにハングル版ヌケメ帽とは・・・?

辺口さんの言葉の強さからか、アバンギャルドな印象を持たれがちなヌケメ帽ですが、制作の裏には意外にも細かいアナログ作業があったんですね。

続いて馬喰町から移動し、ヌケメさんの自宅兼アトリエのある都立大学へ。

「僕の家には制作に使う大きな機械があって、とにかくそれを置けるスペースという条件で探して都立大学になりました。周りは本当に閑静な住宅街なのですが、僕の家だけトキワ荘みたいなんです(笑)」

こちらがヌケメさんの自宅兼アトリエです。
制作にまつわる道具や機械がひしめきっています。

上から青焼き機、プレス機、業務用ミシン。これらがヌケメさんの洋服制作には必須のマシン。自宅といえどもアトリエを兼ねているため、すべて個人で所有するには高価なプロユースのものばかり。ミシンの隣に写りこんでいるのは、スエット製のつなぎです。
そのなかでも、型紙の制作には必須だという青焼き機(ジアゾ感光機)について解説してもらいました。

最後に、今後の展開について聞いてみました。

「昨年のmagma.Fes.2010でも毛利悠子さんと『カラオケスナック香港』というイベントをやったりしたのですが、カラオケにはまっているので、カラオケ関連の企画をまたやりたいですね。あとは囲碁をずっとやっていたんで、囲碁と絡めたこともやってみたいです。
『おしゃれ囲碁』というパフォーマンスをスペクタクル・イン・ザ・ファーム2010快快(faifai)とやらせてもらったのですが、『おしゃれ』と『囲碁』ってまあ全然関係ないじゃないですか(笑)。今後はそういう形でファッションと、僕がこれまでに興味を持ってきたファッションと全然別のことを組み合わせたりもしたいし、でもやっぱり自分の軸は洋服だと思うので、今年は洋服もしっかり作りたいです。展示会のやり方として、僕の自宅を使って見に来たい人にはわざわざ家まで見に来てもらうっていう方法も考えていたりします」

「ファッションの人」でありながらも、独自の方法でファッションへのアプローチを試みているヌケメさん。今後の展開からも目が離せません。


Artist Profile

1986年生まれ。
08年より辺口芳典氏の作品提供を受け、「ヌケメ」という独自のブランドを設立。それを機に自身もヌケメを名乗るようになる。服を根本的なメディアとし、手触りのあるコミュニケーションツールと考える。日本語を刺繍した帽子、プリントブリーフ、布団、フォーマルなパジャマ等を制作し、一部で人気を集める。馬喰町の多目的スペースCULTIVATEの設立から企画にも関わるなど、ファッションを軸に置きつつも幅広いフィールドで活動を行っている。
割かとナイスコミュニケート http://nukeme.nu/
Twitter @nukeme

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