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植本一子 + 南波一海 | ふじきみつ彦 | 「お忙しいところ失礼します。」Vol.11

写真家・植本一子氏と、ライター南波一海氏が、毎回気になるクリエイターの仕事場に突撃する連載コラム「お忙しいところ失礼します。」。

今回の訪問先は脚本家、劇作家、作詞家…と様々な顔を持つふじきみつ彦の仕事場。NHK教育「みいつけた!」や「ニャンちゅうワールド放送局」、あるいは□□□の諸作の作詞でその名を見たことがある人もいるだろう。また、PILOTのTVCM「ハイテックCコレト」でその姿を実際に見たことがある人もいるかもしれない。そんなふじきみつ彦は一体どんな場所でものを考え、作り出しているのだろうか—。

Photo:植本一子
Text:南波一海

カーテンがない。風が通る。物が少ない。いくつかの理由があって、あっけらかんとした開放感がある。何件も訪ねていると、部屋がその人の人となりを表していることがよくわかってくる。ここはふじきみつ彦という人を良く表している書斎だ。

「そう、ここに越す前の家は窓が一つだったから寝室にそれを使ってます。こっちも買えって話なんですけど、誰も見てないだろうなと。向こう側(窓の外)からこっちは多分見えてないと思う。そんなことはないのかな? まぁ見られもしないしなって」
まずカーテンの話をすると、こういった何ともリラックスした答えが返ってきた。これがふじきの持ち味である。部屋にはアイデアの素となる資料などがほとんどないのも特徴的。
「(この連載の)他の方のを見て、資料がすごいいっぱいあるなと思いました。基本的にものを書く時、何も見ないんです。というか普段から何も見ないんです。映画とか漫画とか本とかあまり見ないからよく知らない。だから何か面白いものがあったら教えて下さい」
と笑いながら答えてくれるが、それでは脚本や歌詞は頭の中だけでできているのかと尋ねると、「だからダメなんですよ。後々困るんだろうな」と素直な前置きをした上で、「でも電車に乗るだけでもネタはいくらでも転がっているから」とも答えてくれた。では外に出て何かを考えることも多いのだろうか?
「あるある。昨日も喫茶店に行ってました。(家にいると)テレビ観ちゃうとかもあるしね。大体僕は集中力がないから、ここに5時間いるよりは外に1時間いた方が俄然仕事ははかどるんです」

その際に持ち運ぶのは、ノートパソコンではなく何の変哲もない手帳だ。これが全ての作品の起点、ネタ帳となる。
「最初、会社員をやっていた頃は普通に仕事で使っていて。端っこに仕事とは関係ないことを書き始めて、そのまま二冊目にいって。段々とこの大きさのものに書くのが癖じゃないですけど、そうなって、今に至るという。常に持ち歩いていて、電車の中でも書くからグチャグチャなんですけど(笑)。“何を意味不明なこと書いているんだろう?”とかっていうのもありますよね」
そうしたメモを具体的にノートにまとめ、更にパソコンで清書していく。その際にこの部屋の机が登場するのだが、購入したのは最近のことだという。
「この部屋に越して来てから買ったんです。ずっとちゃぶ台(!)で仕事していたんですけど、膝を痛めちゃって。去年の秋に本当に歩けなくなって、急いで机と椅子を買いました。もう、びっくりしちゃった。パンパンに腫れちゃってて、階段降りるのも何十分かかって。たまたま二日くらい休みができて、旅行にでも行こうかなと思っていたんだけど、起きたらそんなだった(笑)」
大変なのにどこかほのぼのとした呑気さが漂う語り口。ふじきが書く作品の軽やかさやケロっとした独特の雰囲気にダイレクトに繋がる魅力を感じ取った。




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ふじきみつ彦








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