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YOSHiKO☆CREATiON PARiS | ヨシコクリエーション パリ | Fashion Designer

オートクチュールをプレタポルテに落とし込んだ“ポップクチュール”という独自の世界観を作り上げるYOSHiKO☆CREATiON PARiS。これまで、パリでコレクションを発表し、高い評価を得てきた同ブランドだが、2年前から活動のベースを日本に移している。07年春夏コレクションは“化石”をテーマに掲げ、時間や生命をアクセサリーで表現し、続く秋冬シーズンでは、SM官能小説をモチーフに独自のストーリーを創り上げた。ここ数シーズン、さらに勢いを増すパワフルかつアヴァンギャルドなクリエーションの源を探るべく、デザイナー梶谷好孝に話を聞いた。

Text:柴田麻希

まずは、表現活動を始められた頃の話を聞かせてください。

子供時代に母親から絵を教えてもらっていたのですが、小学校までは景色や静物をありのまま模写していたんです。その後、中学生になって初めて創作画を描き「あ、これなんだ!」と思ったんです。『ミクロの宇宙』というタイトルで、葉っぱの雫の先に宇宙が入っているという絵でした。この時に、初めて自分のイメージを表現する素晴らしさを知ったんです。

その後、アクセサリーデザイナーを志すようになった理由は?

最初は服飾デザイナーになろうと思い、専門学校に入り、パリに留学したのですが、たくさんのデザイナーがいて、「これは飽和状態だな」と。多数の人がやっていることを自分があえてやる意味があるのかと思ったんです。その頃、オートクチュールのアクセサリーデザイナー、エリック・アレーに偶然出会う機会があり、彼のアシスタントをするようになりました。

そこでの経験はどのようなものだったのですか?

エリック・アレーは、“羽根の魔術師”と呼ばれていてマドンナの特注ネックレスを作ったり、クリスチャン・ラクロアやシャネルとも仕事をしていました。この華やかなオートクチュールの可能性をストリートに落とし込んだら、面白いと思ったんです。現在YOSHiKO☆CREATiON PARiSが作っているアイテムは、「オブジェ的」とも言われることがあります。たとえ、どんな服装をしていたとしてもうちのアクセサリーを付けていればカッコ良いスタイルになる、そんなことを頭の中で膨らませながら作っていますね。

ヨシコクリエーションヨシコクリエーション

最初はフランスのセレクトショップ「コレット」で、取り扱われていましたよね。

はい。お店に作品を持っていったら、「今付けているネックレスがカワイイからそれを作って」と言われたんです。アフリカのお守りをモチーフにしたものだったのですが、それが何千本と売れて、ブランドを作る資金になりました。当時は、修業のつもりで嫌々作っていたんですけど、「コレット」では“幸せを呼ぶネックレス”と名付けられて。「人にばかり幸せあげてどうするの?」なんて思いながら(笑)。でもお店に行ったら店員の男の子が付けていてくれて、お店に来ていた子供がお母さんに欲しいとせがんでいたんです。それを見た時、この仕事をして良かったなって初めて思えましたね。

07年春夏シーズンは“化石”がテーマのコレクション、秋冬は官能小説をモチーフにした“スパイラルの物語”というテーマを掲げています。このようなコンセプチュアルなコレクションはどのように作り上げているのですか?

細かなデザインよりも、最初にビジュアルや言葉、もしくはある女性像があります。頭の中にいくつもの引き出しがあって、そのシーズンのフィーリングで「どうしてもそこしかない」という場所に行き着くんです。“化石”のコレクションは、“アクセサリーが人間のように生きている”ということを想定し、骨になった動物モチーフのアクセサリーなどで、時間を表現しました。秋冬はポーリーヌ・レアージュのSM官能小説「O嬢の物語」の登場人物がイメージです。厚塗りをして自分を作っている女性が、メイクの下にさまざまな顔を隠し持っているビジュアルを表現しました。まだ誰もやっていないことをすることで、みんなに新しい驚きを感じてほしいんです。同じ場所で留まらないで、常に変化するブランドでいたいので。

ヨシコクリエーションヨシコクリエーションヨシコクリエーション

ヨシコクリエーション新作のスパイラル状の喫煙具など、作品には強烈なインパクトがありますよね。

そうですね。怒りや反骨精神が根底にあるからでしょうか。デザインに「投げつけてる感がある」とは言われますが、作品を通じて対話したいという想いがあります。自分の作品に対して、何でもいいから意見を持って欲しいと思うんです。例えば毛皮を使ったアイテムに嫌な顔をする人もいれば、大好きって言う人もいる。いろいろな矛盾した意見があるのは当たり前。意見がないまま情報に惑わされたり、流されることが悪なんだと思う。例えば、アクセサリーを身に付けることで気持ちが高ぶる、とか何でもいいのですが、YOSHiKO☆CREATiON PARiS が感情をゆさぶるものであって欲しいですね。

何に対して怒ったり、反発しているのですか?

“こうじゃなきゃいやだ”とか“こうしたらもっとみんな良くなるのに”とかいろいろあります。作品も見ずに、経歴やバッググラウンドだけで判断されたりとかすることも多いし、日本のファッションを取り巻く状況にも思うことがありますね。

パリではホテルリッツに老舗のハイジュエラーと並んで展示されるほど高い評価を得ていましたが、日本とフランスの反応の違いを感じますか?

パリで9年間過しましたから、私のクリエーションの背景はフランスなんです。フランスではビジネスが成功しているか否かということに関係なく、創作する素晴らしさを尊重する文化があります。そんなム−ドを日本にも伝えたい。そうでないと私たちも若い世代も希望が持てなくなりますよね。それと国民性の違いも感じます。例えば日本では、モテるからという理由で髪をストレートにしてさらに巻き髪にする。フランスだったら例えば、「自分のクルクルの天然パーマを生かしたヘアスタイルにしよう、それが私のオリジナルだから」というまったく逆の発想です。自分がどう見られるのかという客観的な視点ではなく、本当は自分がどうしたいのかということが大切だと思うんです。男女問わず誰にも媚びる必要はないしもっと自分自身を楽しませていい。YOSHiKO☆CREATiON PARiS は自分のために付けるジュエリーであってほしいですね。

ヨシコクリエーション

どのような想いを込めて作品を創作されているのですか?

ファッションは上から見下すものではなく、衣食住で言うと一番必要性がない底辺にあるもの。だからこそ、より贅沢なものでないといけないと思います。自分のモチベーションを上げ、足りない部分を補う事は自己投資。だからデザインだけじゃなく、“想い”みたいなものがもっとあっていいと思うんです。たくさんの女性が私たちのアクセサリーを身に付けることで、ちょっとした勇気とか自信を感じてくれたらうれしいですね。

最後に今後の展望を聞かせてください。

常に5〜10個のプロジェクトを同時進行で考えています。作っている時は楽しくてしようがなく、呼ばれても気付かないくらい集中しています。私にとって表現するということ自体が当たり前の行為で、おそらくプロのデザイナーにならなくても家で何かしら作っているでしょうね。これからも有名無名問わずいろいろな所と仕事して、もっといろいろなものを見てみたい。そして若い世代のために道を切り開きたい。いつも“もっと、もっと”と思っています。よく生き急いでいると言われますが、自分としては足りないくらいなんです。ライバルがあまりいないジャンルだと思っているので、よりストイックにいきたいですね。

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