
AllRightsReserved | オール・ライツ・リザーブド | Design Office
「AllRightsReserved」は香港を代表するクリエイティブチーム。彼らの活動は、「All you need is stickers graphics」や「lowfat graphics」といった書籍の出版、「NIKE」「SONY」などを始めとする様々なデザインワ—クなど多岐にわたる。また、AllRightsReserved代表のSKラムは、デザインシーン、クリエイティブシーンにおいては世界中で知らない人がいないほど、認知されている人物でもある。常にパワフルに活動するSKに、最近の彼の活動や香港のデザイン状況などについてインタビューした。
Text:蜂賀亨
これまで実は何度も聞いているのですが、SKのバックグラウンドをもう一度教えてください。
オーケー。僕は香港生まれのデザイナーで、オーストラリア・シドニーの「KVB Institute of Technology」でデザインを学び、その後オーストラリアでデザインの仕事をしていたんだけど、97年から香港の『IdN』でジェネラル・マネージャー、クリエイティヴ・ディレクターとして働くようになったんだ。その後、03年にAllRightsReservedを設立して、現在はクリエイティヴ・ディレクター兼編集長をやっているよ。




JAM – You are Gifted! tee project(2007)「JAM You are Gifted T-shirt project」は、06年の「feel better T-shirt project」に続いて、now.com.hkと展開している継続的なプロジェクト。AllRightsReservedとD-mopが16人のクリエーターに6つのテーマに合わせたTシャツを依頼した。フリーペーパーが同時展開されている。More Info:goodies.now.com.hk
AllRightsReservedはどんな会社なのですか?
AllRightsReservedは精鋭8名のスタッフがいて、活動としてはクリエイティブに特化して、デザイン、出版、イベントマネジメントなどを幅広くやっているんだ。僕たちはポリシーとして「すばらしい作品を尊重して、ユニークなクリエイションを愛する」ということを掲げているんだよ。
会社の名前の由来を教えてください。
クリエイティブなアイデアのすべてには、名声を得るだけではなくて、良いデザイン、あるいは優れた作品として尊敬されるべき価値があると思うんだ。それは僕たちにとってだけではなく、多くの人たちにとってもそうあるべきだと思う。それに、クリエイターたちが創り出す素晴らしい作品には、それぞれが権利を持つ必要性があると考えたから、こういう名前にしたんだ。


Artwork by Yayoi Kusama
Produced and art directed by AllRightsReserved(2007)Harbour Cityのために制作した、日本のアーティスト草間彌生とのコラボレーション・アンブレラ。
AllRightsReservedはいろいろなプロジェクトを手掛けられているようですが、SKさんの肩書きは何になるのでしょうか? デザイナー? アートディレクター? プロデューサー? それとも出版者の社長?
僕の肩書きは、マーケットによって変わってくるよ。こういう分野で仕事をしているからには、いろいろなことをやらないといけなくなってくるからね。最近の話でいえば、あるプロジェクトのためにポスターが必要だったんだけど、その素材を探したりもするしね。プロジェクトによって本当にいろいろなことが必要とされるんだ。
そもそもなぜデザインの仕事をやろうと思ったのですか?
それに答えるのはちょっと難しいな。たぶん自分の本質的な部分だったのかもしれないね。
あなたにとって「デザイン」とは何ですか?
デザインは、人間の文明をよりよく発展させていくためのプロセスだと思うよ。良いデザインは人間の本質すべてに貢献するだろうしね。生活水準やユーモアのセンス、そしていろいろな問題を解決するための道具として貢献するものがデザインなんじゃないかな。でも、そこには別の側面もあって、良くないデザインが作り出すものもある。膨大なゴミのようで、堕落したようなプロダクトとか。僕たちの心と環境にはそういったふたつの側面がある…。


New details(2007)LOG-ONのプロジェクト。今回のHome Sweet Home issueは6号目になる。A3サイズのフリーカタログには日常的なものがピックアップされている。
20世紀の終わり頃のグラフィックデザインはとても活発で、特にタイポグラフィが面白かったと思っていたんですが、今は大きく状況が変わってきていると思っています。その辺りはどのように感じられていますか?
そうだね。それには主に2つの理由があるんじゃないかな。ひとつは、人々が、言葉よりも写真やイメージを求めるようになってきたこと。写真やイメージは発展してきているけど、タイポグラフィにはあまり成長を望まなくなっているような気がするよ。もうひとつには、マーケットにタイポグラフィを求めているデザイナーが減ってきているということ。そのふたつの関係が作用し合っていて、それが現在の状況になっているんじゃないかな。もちろん素晴らしいタイポグラフィを創る優秀なクリエイターももちろん消えてはいないんだけど。
なるほど。その中で香港のデザイン状況は、今どんな感じなのですか?
今の香港は、池の上にさざ波がたっているような状況かな。最近は多くの若いデザイナーたちがクリエイティブに夢を持って、デザイナーの卵たちが増えてきているみたいだけどね。僕は彼らが新しい動きを作り出してくれると良いなと思ってるんだ。ロンドン、アムステルダム、日本、タイ、マレーシア、中国みたいに面白い作品やアイデアでね。でも、そのためにはもっと、奨励や教育、情報、そして勇気が必要になってくるんじゃないかな。
最後に最近の活動について教えてください。
いろいろやっているよ。僕らは常に本も作っているしね。最近では、中国本土でもいくつかのプロジェクトを展開している。詳しい情報はAllRightsReservedのサイトを見てもらえるとわかると思うよ。

Triangle – Press book(2007)香港を代表する3人の映画監督ツイ・ハーク、リンゴ・ラム、ジョニー・トーによる映画「Triangle」のカンヌ映画祭のためのプレスリリースのアートディレクションとデザインを担当。





