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HEART BOMB | ハートボム | VJ / Video Director

実写映像からアニメーションまで、あらゆる手法を用い、見る者の脳内を犯す中毒性の強い“ヤバい映像”を次々と生み出す映像ユニットHEART BOMB。クリエイター集団iseneehihineeのメンバーとして、様々なプロジェクトに参加する傍ら、「違和感」と「笑い」を追求する独自の視点に基づき、PV制作やVJ活動、グラフィックデザインなど多岐に渡る創作活動を展開しているHEART BOMBのメンバー、木藤と青木の2人に話を聞いた。

Text:原田優輝

HEART BOMBが結成されたきっかけを教えてください。

青木(以下A):元々、TCというグラフィックチーム(現iseneehihinee)があって、僕もその中にいたんです。99年に、そのTCの個展をビ−ムスのギャラリーで開いた時に、映像を展示したり、クロージングパーティのVJをやったりしたのですが、その頃からHEART BOMBとして活動するようになりました。

HEART BOMBを結成される前は、別々に活動をされていたのですか?

A:元々マンガが大好きで、自分で絵を描くことも好きだったので美大の映像学科に入学したのですが、3年生の時に、一年上の先輩だったAC部の卒展を見て、メチャクチャ衝撃を受けて。それからVJを始めるようになり、本格的に映像に取り組むようになりました。当時は、After EffectsがまだVer.3で、描いた絵をスキャンして動かすくらいしかできなかったこともあって、すべて手描きでアニメーションを作っていましたね。

木藤(以下K):僕は大学を出てから、映像作家のタケイ・グッドマンさんのところで少しお手伝いさせてもらってました。その後、自分の作品が作りたいと思っていた頃に青木と出会ったんです。当初、HEART BOMBは3人で結成されたのですが、そのうちのひとりが今修行中で、なかなか帰ってこないんです(笑)。

HEART BOMB

主にどのような活動をされているかを教えてください。

A:最近では、WRENCH三代目魚武濱田成夫氏のPV、Space Shower TVのSPOT、元気ロケッツのアナログジャケットのデザイン、チームラボとの共同制作で大沢伸一のPVを作ったりと、色々やっていますね。

幅広い活動をされているようですが、現在にいたるまでのいきさつを簡単に教えてください。

A:仕事として最初の作品は、知人の紹介でやるようになったBS朝日の映像制作です。その1年後くらいに、VJコンテストに応募したんですが、そこでいきなり準優勝して、PVの仕事が来るようになりました。さらに、iseneehihineeのメンバーであるザマギのPVやMUSTONEのライヴペインティングでVJをやったりしているうちに、ブライアン(バートン-ルイス)たちと仲良くなったりして、いろいろ広がっていきました。

iseneehihineeという母体があることは、これまでのHEART BOMBの活動に大きな影響を与えているようですね。

A:元々僕らは、大学時代から就職活動もせずに好きなことをやっていたので、世間知らずのまま活動を続けてきているんです(笑)。当時からみんなで集まって狂ったようにひとつのことに熱中していましたね。今でこそ、チームのなかで映像をやっているのは、僕ら二人になりましたが、少し前まではiseneehihinee全員でディレクションをしたりしていましたね。それこそ監督10人に作り手1人のような状況(笑)。全員の主張が強すぎて、全然仕事が進まないみたいな(笑)。


現在のお二人には役割分担があるのですか?

A:キトケンは観察が好きで、僕はPCで映像を作ることが多いです。

K:あと、僕は脱線係ですね(笑)。

A:彼は、色々なところにアンテナを張り巡らせていて、とにかく情報をたくさん持っているんです。だから、二人でアイデア出しをする時などには、いろんなネタを提供してくれますね。

K:でも、僕は基本的に言いっ放しなんで、実現不可能なことも多いんですけどね。

A:彼が出してくるそうしたネタに、理由付けをしていったり、コンセプトを固めていきながら、映像化できるかどうかをジャッジして、実際に作っていくのが僕の役割。例えば、こないだ制作したWRENCHのPVは、鉄の塊から刀が作られ、その刀で最終的に花を切るというストーリーなんですが、そのアイデアソースとなっている『ロード・オブ・ザ・ウォー』という武器商人の映画も彼が見せてくれた作品なんです。

HEART BOMB

HEART BOMB

K:その映画は、ベルトコンベアに乗せられて流れてくる鉄砲の弾に、火薬などが詰められていく行程をワンカメで追いかけている映像から始まるんです。

A:さらにその弾が箱に入れられ、戦場でリボルバーに詰められて、最終的には放たれた弾が脳天に撃ち込まれるという映像になっているのですが、今回のPVは刀鍛冶が鉄を打つところから日本刀ができるまでの工程から、出来た日本刀で斬るシーンまでを撮影して「クイズ世界はSHOW by ショーバイの”何をつくってるんでしょーか?”の早押しクイズ」みたいに、最初は何を作っているのかよくわからない、という映像を自分たちでも作りたいというところから生まれた作品でしたね。

HEART BOMBの得意とする表現にはどのようなものがありますか?

A:CGやアニメーション作品はもちろん、アーティストの制作風景を追ったドキュメント映像まで、基本的にはどんな表現でもやりますね。

HEART BOMB

そのなかで一貫して重要視しているポイントはありますか?

K:「笑い」と「裏切り」ですね。そんなことさすがにやらないだろう、ということをやっていくというか(笑)。

A:「中毒性」のあるものを作るように心がけています。あと、ひとつひとつのカットに意味やドラマ性を持たせようとしています。それも関係していると思うのですが、どんなに頑張っても超主観的な映像になってしまうんです。

超主観的な映像というと?

A:日本人特有の主観的な見方というのは友人であるチームラボの猪子氏ともよく話すことなんですが、例えば、ドラクエの画面って、俯瞰のマップに真横から見たキャラクターたちが配置されていますよね。古くは水墨画や浮世絵などから始まって、現在のゲームやマンガに至る遠近法やパースを無視した日本人特有の超主観的な感覚みたいなものが自分の中にもあると思っているんです。自分たちに置き換えてみると、例えばカメラワークひとつとっても、捉えたい対象しか映さないがために、あまりダイナミックな感じには撮れないというか(笑)。作品のコンセプトなどは客観的に考えていますが、映像自体はどうしても主観的になっていく(苦笑)。

映像のイメージが浮かぶのはどのような時が多いですか?

A:iseneehihineeのメンバーの作品やパフォーマンスを見ていて、そこから映像的なイメージが浮かぶことは多いですね。例えば、MUSTONEのタッチを見ていたり、フラティックのDJを聞いている時に閃いたりします。彼らに共通しているのは、“質感”にこだわった表現。それを映像に置き換えた時に、どういう質感になるだろうとイメージを膨らませていくんです。

HEART BOMB

映像における“質感”とは?

A:見る人の脳内に残る違和感のようなものです。例えば、音にシンクロしていないズレた映像だったり、動きの速い対象物が急に止まったり、ノイズが混じったり…。そういう要素を入れていくことで、粘着性のある映像が生まれると思っています。それが、さっき話した中毒性にもつながってくるんですが。VJに関しても、現場の雰囲気とマッチしていれば、音に合っていない映像でもアリだと思うんです。

やはりHEART BOMBにとって、VJ活動が表現の原点になっているのですか?

A:なんだかんだ言っても、今はVJが一番面白いですね。表現の自由度が高いし、やっぱりクラブが好きなんですよね。お酒を飲みながらなんで、楽しくプレイできますしね(笑)。VJをしている時に、「アーケードゲームをやっている小学生みたいだね。」といわれた事があって、ボタンを押すと映像が切り替わる仕組みのミキサーを使っていることもあって、スクリーンを見ながらミキサーを連打してると、まさにそんな感じですよね。「パラッパラッパー」みたいなノリかもしれません(笑)。

HEART BOMB

11月22日に国技館で開催されるクラブイベント「CONNECT 07」でもVJを務めるそうですね。

A:宇宙警備隊と一緒に準備を進めていて、LED750本を提灯に入れた大掛かりなセットがかなりヤバいと思います。

K: 今回のような空間演出的な試みは、HEART BOMBとしてこれからもっと突き詰めていきたいと思っています。

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