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TEAM LAB | チームラボ | Ultra Technologist Team

“オモシロい順”に検索結果が表示される検索エンジン「SAGOOL」、au Design Projectの2007年コンセプトモデルとして制作されたまったく新しいインターフェイスを持つ携帯電話「actface」など、持ち前の技術力を発揮した斬新なプロダクトやサービスを開発する傍ら、HEART BOMBMUSTONEなどのクリエイターたちとの協働も展開—。その多岐に渡る活動で各分野から熱い注目を集めるチームラボは、これまでアートや音楽などが担ってきた、数値化できないエモーショナルな領域を、テクノロジーによって表現することを追求し続けている。「ジャンプ」と任天堂を敬愛する代表の猪子寿之氏が率いるこのテクノロジー集団は、近い将来とんでもない革命を起こしてくれるのではないかという、限りなく大きな未来への希望を我々に抱かせてくれる。

Text:原田優輝

まず始めに、チームラボを立ち上げた頃についてお聞きしたいのですが、以前は、クリエイティヴ集団他社比社のメンバーとして活動されていたそうですね。

はい。01年に、ビームスB GALLERYで、他社比社が『ガングロー インザ ダーク』という展覧会をやったのですが、その時にはチームラボもスタートしていて、一緒にゲームを作ったり、マストワンさんが描いたマンガの脚本を書いたりしたんです。

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ゲームやマンガからはかなり影響を受けているようですね。

ジャンプ」と任天堂が異常に好きなんですよ(笑)。僕らは、サブカルチャー/アンダーグラウンドの文脈で語られることもあるのですが、そんなつもりはまったくなくて、常に“ド真ん中”にいるつもりでやっています。

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現在は100人を超えるスタッフがいるそうですが、結成当初は何人でスタートしたのですか?

大学や高校の友人5人くらいでスタートしました。元々デジタル/メディアアートへの関心が強かったので、Webを作ったり、メディアアートの作品を作ったりしていたのですが、知人を通して参加した資生堂主催のアートイベントがきっかけで、『若冲幻想』を制作することになり、その辺りから徐々に広がっていきました。

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その後も、05年に『スヌーピーライフスタイル』展に出品した『花紅(ハナハクレナイ)』のような水墨画タッチの映像作品なども作るようになり、最近では、大沢伸一さんのPVをHEART BOMBと一緒に作ったりもしましたね。

そうした作品を発表すると同時に、検索エンジン「SAGOOL」をはじめとする、実用的なWebサービスの開発などにも積極的に取り組まれていますよね。

そうしたサービスの開発も創業期からやっています。元々、歌や映画の売上ランキングとかに興味がなくて、マンガでも音楽でも、もっと自分の好きなものがスグ見つかったら良いなと思っていて、そのためのシステムを作りたかったんです。また、それによって、マニアックな作品もユーザーにより届きやすくなると思っていました。

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オモシロイ順に検索結果が表示されのが「SAGOOL」の特徴ですが、従来の科学が数値化してこなかったような感情的な部分に着目されているようですね。

これまではアートや音楽などが担ってきた領域を、テクノロジーでもやれないかなと思っているんです。例えば、「水墨動画」も、一見感覚に頼って表現されているように思える水墨画というアートフォームに隠された一貫した美意識のようなものを、テクノロジーで再構築できないかと思って作ったんです。自分の中に、日本文化の“ヤバいもの”をもう一度再構築したいという想いがあるんです。僕は「書」が好きなんですが、今はスゴくダサイものになってしまっている。でも、自分たちがもう一度再構築すれば、またカッコ良くなるんじゃないかな、と。

日本文化を強くリスペクトされているようですね。チームラボのサイトにも「日本再生」が掲げられています。

真面目な話になってしまうんですが、自分たちは幸運にも豊かな時代に生きてきたわけで、将来もそれが続けば良いと思っているんです。僕らが生まれた頃は、ソニーのウォークマンや、任天堂のファミコンなど、世界に浸透していったモノが日本から数多く生まれていた。世界が情報産業にシフトした今、また日本から世界に発信できるモノを作らなければという想いがあるんです。それがなくなってしまうと、日本の競争力が下がり、結果的に「豊かさ」も失われるんじゃないかと思うんです。ファミコンやマンガのように「日本人ヤバい!」というのをまたアピールしたいんですよ(笑)。最近はGoogleAppleなどが注目を集めていますが、やっぱりそれは悔しいですから。

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日本人が持つ強みとはどのようなものだと思われていますか?

合理性や論理性などとは違うところにエネルギーをかけられることだと思います。例えば、水墨画に関して言えば、空間を平面化するための最も合理的な方法である西洋絵画の遠近法とは別のアプローチで、空間を平面に落とし込んでいます。しかも、それがどうなっているのかがよくわからない(笑)。実は「ドラクエ」のマップなんかにもそれは通じていると思うんです。「ドラクエ」では、真横から描かれた木が、真上から俯瞰したアングルのマップに配置されていますよね。今考えるとバカなんじゃないかと思うんですけど(笑)、子供の頃には上から木を見たことなんかないから、そういうマップの方が本当に森に行ったような気になるんです。身体的な認識をそのまま平面に再構築してしまうところに、日本人的な感覚があるんじゃないかなと思います。

論理では説明しにくい部分に力を入れているということですよね。

そうですね。Wiiなんかでも、コントローラーがコントロールしにくいですよね(笑)。ただコントロールするためであれば、もっと合理的なモノがあるにも関わらず、「触れたら気持ちいい」というところにものスゴいエネルギーをかけている(笑)。あと、「F-ZERO」というレースゲームが大好きなんですけど、このゲームの中では、ドリフトすると加速するんですよ。普通に考えたら、摩擦でスピードが落ちますよね(笑)。 でも、先日実際にドリフトをやってもらったんですけど、車の中にいると、ドリフトした瞬間に車が横滑りになるので、窓の外の視界が一気に変わっていくんですよ。だから、減速しているはずなのに、体感的には速くなったように感じられる。「F-ZERO」も、そうした数値化できない部分をカタチにしてしまっているような気がするんです。

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一般的には「日本人は合理的」というイメージあると思うのですが、そういう話を聞くと一概にもそうは言えないようですね。

以前に、イギリスと中国と日本のお茶に関する本を読んだんです。イギリスと中国のパートでは、お茶を美味しく飲むための様々なノウハウが書かれていたのですが、最後の日本のパートに入る前に、「日本人だけちょっとオカしい」という著者の前置きがあって(笑)。「もはや彼らにとって、美味しいお茶の入れ方は重要ではなく、入れ方そのものに精神性を見出しているようだ」と(笑)。本来の目的を忘れてしまうくらいに、お茶を入れるという「行為」に価値を見出していて、お茶の入れ方で宇宙とつながろうとしてしまっている(笑)。そもそも「行為」とは目的を達成するために、合理的であるべきものなんですが、その「行為」を消費してしまっているところが日本独特だと思うんです。僕らが以前に制作したactfaceも、まさにそうした発想から生まれたものなんです。

この作品は何に着想を得て作られたのですか?

元々、携帯電話のインターフェイスって「しようがないヤツ」だと思っていて(笑)。ボタンを押すという行為は、電話やメールをするために仕方なくしていることで、決してそれが目的ではないですよね。そこで自分たちが考えたのは、ボタンを押すという行為に、まったく別の価値を与えようということだったです。

これだけ多岐に渡る事業を展開されているわけですが、会社運営における哲学のようなものがあれば教えてください。

僕、“クリエイティビティ・オタク”なんですよ(笑)。自分の創造性を高めたいというのはもちろんあるのですが、それ以上に周りの人のクリエイティビティが高まることに興味があって。どんな人でも絶対クリエイティヴになれるはずで、そうした“ヤバくなりたい”と思っている人たちで集まって、モノ作りができれば良いなと。最初はお金にならない仕事だとしても、「良いもの」を作っていれば、ビジネスは後から付いてくるんじゃないかなと考えています。

そういうスタンスが、「チームラボ=オモシロそうな会社」というイメージにつながっているのだと思います。大手企業からチームラボに入ってくるスタッフも結構いるようですね。

大企業でエンジニアなどをしていると、実際にはあまり作れなかったりすることが多いんです。でも、僕らは手を動かすことを大事にしていて。従来のもの作りのシステムは、ディレクターと実際に手を動かすスタッフが分かれていたと思うんですが、それを僕らは否定していて。だから、ディレクター職は必要なくて、みんなで考えてみんなで手を動かすんです。みんなでひとつのデザインを手直しするので、最終的には誰がメインで作ったものかがわからなくなることもよくありますよ(笑)。

それはあまり効率的な進め方ではないかもしれないですが、その方が良いものが生まれるということですよね。

例えば iPhoneなんかが分かりやすいと思うんですが、あれはデザイナーとエンジニアの役割分担がハッキリはわからないですよね。それは両者が密に話し合いながら、あのインターフェイスを創り上げたからだと思うんです。うちも、スタッフのバックグラウンドや専門領域はバラバラです。もはやエンジニアにしても、デザイナーにしても、やるべきことが一人でカバーできる範囲を超えてしまっているんです。だからこそ、様々な領域のスペシャリストが集まって、一緒に考えることが重要だし、その方が面白いものも作れるんじゃないかなと。

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フラットな組織体系がチームラボの身上だと思いますが、そのなかで、代表である猪子さんの立ち位置はどのようなものになのですか?

そこが最近微妙なんですよね(笑)。現在は、全てのプロジェクトを見渡しているというよりは、用がある時にそれぞれのプロジェクトから招集されるという感じです。やっぱり呼ばれるとうれしいですよね。「まだ役立てるんだ」みたいな(笑)。

最後に今後のプロジェクトで何か決まっているものがあれば教えてください。

動画の検索エンジンを作っています。(操作感が)無駄に気持ち良いサイトになると思います(笑)。

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