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YLANG YLANG | イランイラン | Fashion Designer

「カジュアル」や「カワイイ」が主流の東京ファッションシーンにおいて、ドレスを中心としたエレガントなコレクションを発表し続けるイラン イラン。毎シーズン、キャッチーなテーマを打ち出しながらも、根底に流れるのは、あくまでも品の良い女性像だ。モード性と上品さが絶妙なさじ加減でブレンドされたクリエーションを展開する同ブランドのデザイナー青柳龍之亮に話を聞いた。

Text:小柳美佳


今年でもうブランド設立10年になりますね。

そうですね。最初は1人でサンプルを作って、営業に行って…という、本当に手作りの状態で始めたんです。

元々デザイナー志望だったのですか?

ええ。学校を卒業して今の会社に就職し、その子会社で小物をデザインしていました。でも、僕は洋服を作りたかったので、小物の展示会を行う時のディスプレイ用に洋服を作っていたんです。そうしたら、その洋服が気に入られて、「商品化できないのか?」、という話になったんです。だから、「どうしても洋服が!」というほど意欲的ではなく、あっという間の出来事でした。

この10年間を振り返ってみていかがですか?

10年前というとまだ21歳なので、その頃からすると、やはり年を重ねるごとに考え方や作るモノも変わって来ていると思います。自分と一緒に成長してきているのかもしれません。

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イラン イランのコレクションを拝見していると、カトリーヌ・ドヌーヴの二面性(06-07年秋冬シーズン)や、ゴダールの『中国女』(07-08年秋冬シーズン)、シュルレアリスム(08年春夏シーズン)など、シーズンごとに明確なテーマ性を感じます。

そうですね。最初から「このテーマでいこう」と思う時と、後から付け足すとがあるのですが、自分の好きなテイストをひとつずつやっているという感じですね。「次はこういうのが合うかな?」というのを自分の引き出しの中から引っぱり出してくるんです。

『中国女』やシュルレアリスムをはじめ、様々なモチーフを取り入れていながら、コレクションには常に一貫性があるように思います。青柳さんの好きなテイストというものは常に変わらないのですか?

ショーをやるようになってから変わった部分もあります。展示会のみで発表していた頃は、例えば、卸先のことを念頭に置いて「このセレクトショップだったらこういうアイテムを欲してそう」とか、「こういうアイテムが店頭にあったら面白そう」という目線でモノ作りをしていました。ショーをやり始めてからは、今まで溜めていた分をひとつずつ吐き出しているという感覚です。最初の頃は、コレクションにテーマなんていらないんじゃないかとも思っていたのですが、最近では、シーズンテーマを打ち出すことで、ブランドの方向性が明確になっていくと思っています。その方がモノ作りもしやすいですしね。客観的に見て、(自分が)何を言いたいのかが明確になっている方が良いのかなと。

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今シーズン(08-09年秋冬シーズン)は、マスキュリンだけどグラマラス、という印象を受けました。

今回は80年代の強い女性像がベースあり、服の感じにしろ、ヘアメイクにしろ、ちょっと大人っぽくしたかったんです。それと、今回初めて自分でスタイリングを手掛けたんです。

ご自分でスタイリングされてみていかがでしたか?

楽な部分と、(スタイリストに)頼れない部分があり、複雑な気持ちでしたが、達成感はありましたね。毎回スタイリングについては色々考えるんです。「一体どのタイミングで(スタイリストに)入ってもらったらいいんだろう?」って。入ってもらうなら、構想の段階から入ってもらった方がいいんじゃないかと思うところもあり、と毎回葛藤しています。やっぱり、最初から入ってもらった方がお互いやりやすいし、いいモノができますから。でも、基本的には、僕がデザイン画を描いている時点で、スタイリングは終わっているとも言えるんです。それをいかに上手に崩してもらえるかというのが、スタイリストに委ねる部分なんです。そこが難しいし、闘いでもあるんですが(笑)。

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ところで「イラン イラン」のブランド名は、植物の名前に由来しているとのことですが、その花の香り同様、洋服にも上品な官能性が感じられます。デザインをする上で、具体的に思い描いている女性像はありますか?

品の良さは保っていたい、カジュアルに崩していても下品にはなって欲しくはない、というのはありますね。ちゃんとした席に出てきちんとした対応を受けるには、やはりそれなりの服装が必要ですよね。TPOに合わせて着替えるといった気遣いができる女性像を求めているところはあります。それを強く感じたのは、数年前、半年ほどロンドンに住んでいた時。初めて外国暮らしをしたのですが、みんなTPOを上手に切り替えているなと強く感じたんです。仕事が終わったら、着替えたりアクセサリーを変えたりという、生活の楽しみ方がいいなと思ったんです。

東京のファッションについてはどう思われますか?

僕が学生だった頃から、東京のファッションはカジュアルなイメージがありましたが、もともとダボダボっとした洋服を何枚も着たりするのはキライなんです。日本はだらしない服装でも、きちんとしたレストランに入れてしまいますが、僕は「ちょっと違うな」と思ってしまうんです。

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デザインする上で、ここだけは譲れないというところはありますか?

洋服を着た時の見映えですね。試着した時に太って見えたり、野暮ったくなったりしたら絶対直します。完全に見た目重視です。例えば、ハイウエストにした方が可愛くなるワンピースだったとしても、実際に着た時に胸が詰まって見えてしまうのであれば、ウエスト位置を下げたりとか。やっぱり着て(気分が)上がってもらわないと。

海外でコレクションを発表するご予定は?

ゆくゆくは、とは思っています。品質管理など、土台作りをもう少ししっかりしてからになりますが、今後ニューヨークで展示会を行うこと等も視野に入れています。

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