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FANTASTIC NOBODIES | ファンタスティック・ノーバディーズ | Artist

FANTASTIC NOBODIES。このグループの表現活動とその方法を一言で説明するのは不可能に近い。しかし、彼らの全ての表現と作品に、まるで自然現象のように共通しているのは、”観覧者とその場を包括する”という点だろう。FANTASTIC NOBODIESの作品は、売買可能な物理的なものばかりではない。例えば、今年ベルリンのギャラリーで開催された展覧会では、彼ら自身が巨大な額縁の中に入るなど、次々とクレイジーなパフォーマンスを繰り広げ、その場にいた観客、そして偶然にギャラリーの前を通りかかった何も知らないラッキーな人たち、その時間と場所すべてがFANTASTIC NOBODIES色に塗り替えられた。彼らの表現は国籍、言語、場所、時間を問わないものであり、また彼ら自身が作品そのものでもあり、さらに、その気と肉体さえあれば、あなたさえも彼らの一部になれるのである。そんなFANTASTIC NOBODIESのメンバー6名のうち、マーク・グラブスタイン、ダニエル・ジョーゼフ、チャド・スパイサーの3名に話を聞いた。

Text: Akiko Watanabe( Unagi Books/Lodown magazine)
Thanks To:Eric Laine(bipolart.cc )


まずはファンタスティック・ノーバディーズ(以下FN)が結成された経緯を教えてください。

マーク (以下M):僕たちは、ほとんど毎晩のようにどこかのパーティで顔を合わせていました。そのうちに自分たちがただそこにいて、何かが起こるのを待っているだけの傍観者であることが退屈になってきたんです。それで、自分たちが身を置いている環境や状況を面白おかしく皮肉った対話のようなものを続けているうちに、徐々にコラボレーションという形になっていきました。

ダニエル (以下D):「ファック・アート!ダンスしようぜ!」って。すべての始まりは、アートに関わる俺たち野郎共が、ダンス・フロアーで顔を合わせてその場をメチャクチャにしているうちに動き始めたんだ。FNを露出させる意思は、自分たちがそれによって受ける影響力のなかにある。正しく死ぬための曖昧な理由だろ?

チャド (以下C):メンバーが知り合ったのは、もう10年以上も前になります。僕たちの中で、互いを結びつけているものは、自分たちの環境と時代に対する「もっと何かを!」といった欲望で、それが始まりとなりました。僕たちはたくさんの思い出深い時間を作り上げてきたにも関わらず、それらを記録するということをほとんどしてきませんでした。ただ、様々なキャラクターの神話を作り、それらに全く似合わないというささやかな名声を得ることが出来たので、まあそれは記録の一部と呼べるでしょう。その後時間が経つにつれて、それぞれが写真や動画で自分たちの記録を始め、発展させてきました。Unagi Booksから最近出版されたカタログ本はそれら断片を一つにまとめた記録です。

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FNを全く知らない人たちに対して、「FNとは何なのか」を伝えるとしたら、どんな説明になるのでしょうか?

C:僕たちは、誰もが「ファンタスティック・ノーバディーズ(誰でもない素敵な人たち)」だと思っています。そこら中で彼らをよく見かけるし、彼らも僕たちのことが見えるのです。僕たちの唯一の共通点は、個人として、そしてグループとして、体感する自分たちの世界を包み込む必要性を感じていることです。別の言い方をすれば、僕たちはクリエイティブな複数の人間の集まりで、自分たちで創り出した創造的な瞬間をシェアし、他の人たちとも僕らのユーモアセンスなどをコミュニケーションツールとして使えれば、というささやかな願いを常に持っています。

M:創造性はアートよりも重要なことです。アーティストたちは全ての答えを持っているわけではありません。また、見る人たちも服従したり受け身でいる必要はありません。FNはそれが何であれ必要と感じること、例えば光、匂い、ダンス、食べ物、詩や音楽を通して、その雰囲気に捧げる状況を装飾するのです。すべての人間は、それぞれ隠された才能を持っていて、それが個人個人をユニークな存在にしているのです。世の中にはとんでもない奴らが発見されないままでいます。また、FNは自分の定義上では奇人であり、そして、なぜ創造活動をしているかというと、それが僕たちに必要なことだからです。

D:FNとは、自分たちのマンガのような思い出の数々に意味を持たせる方法。リピートを続けるロボットへの言葉にならない遠吠え。思考は思考の続きで、それらがまとまったものが思考になる。

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FNの繰り広げるパフォーマンスは、見る者を巻き込むことによって、いつ何が起こるか分からない雰囲気が常に立ち込めていますが、それらは事前に細かく計画されているのでしょうか? それとも、状況に身を任せ、時に爆発したくなればそうする、といった感じなのでしょうか。

D:すべてのアクションの背後には理論やアイデアがあります。それと同時に、「とにかくやってみて何が起こるか見てみよう」ということもたくさんあります。思考とアクション、それからアイデアと実行の間には、常に余白を持たせています。

M:そこには対話とグループ特有のエネルギーがあるのです。そこに足を踏み入れてみて、いつ、どこで自分を捧げるのか様子を見るのです。僕が一番良いと感じる素材は、ある瞬間によって偶然に作り出されたものです。「自発性」が鍵ですね。そうじゃない状況の時は、コスチュームに身を包んで、「種と仕掛け」に徹します。それでもそれらは様々な状況によって、まったく別のものに変化することができます。

C:自由な形でやっているとはいえ、時には何らかの意味を一瞬持たせて、その一瞬と同じ速度でそれが崩壊していくようなアイデアについて話します。何でもいいんです。そこでよく話に出るのは『セットをストライクしろ!』ということで、これはすべてのパートとキャラクターをセットから無くして、視覚をリセットしよう、ということです。

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この夏、ドイツに滞在した際にエレクトロニック・デュオ「 Modeselektor 」とステージでパフォーマンスを行いましたが、どのような感想を持ちましたか。

C:彼らとは、夏のドイツの音楽フェスティバル「Melt」でステージを共にしたんだけど、最高だったね。長い間持ち続けていたModeselektorとFNのコラボレーションに対する欲望の頂点、という感じでした。それからゆっくり育っているアイデア、Modeselektorとベルリンのモーション・グラフィック集団Pfadfinderei、FNのコラボレーション作品であるミュージックビデオとシングルがもうすぐリリースされる予定です。FNがミュージシャンと何かをするのはごく自然なことです。音楽はパフォーマンスにおいても、自分たちの生活においても、かなり重要な要素です。僕たちにとって、音や曲を使って自分たちのパフォーマンスにレイヤーを乗せ、かつ自分たちのイメージのレイヤーを音楽というパフォーマンスに乗せることが出来るのは素晴らしい贈り物のようなものです。

D:『Music lets the people come together(音楽は人々を寄せ合わせる)!』(by マドンナ)。

M:僕はModeselektorの大ファンでもあります。彼らの音楽はオリジナリティがあり、ユーモラスかつ美しい。彼らは、常に自分たちを新しい方向性にプッシュしています。だから、一緒につるむとお互いにインスパイアし合えるんです。彼らがベルリンのクラブBergheinでパフォーマンスした際、僕はModeselektorのメンバーであるゲルノットに、「生きたブタをステージで放そう」と持ちかけたことがありました。彼はそのアイデアをとても気に入ってくれたにも関わらず、その時は実行に移さず、その代わりに「その話は、FNとコラボレーションする将来までとっておこう」と言っていました(笑)。

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最後に、FNの今後について考えていることをそれぞれ聞かせてください。

M:世界最大のフィンガー・ペインティングでギネス入りすること。

C:僕たちはプロとして、そして個人として持ち合わせている勢いをうまく使うために、自分たちをさらに結びつけようとしています。常に新しい作品を作るチャンスを持ち続けると共に、人々が自分たちに持ち始めている興味や注目に対して準備しなければならないことに近頃気付きました。

D:俺たちは時間と同じ方向へ向かっている。常に崖っぷちだよ。

FANTASTIC NOBODIESの初のビジュアル記録となる限定カタログがUNAGI BOOKSより発売中。

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