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Gendaibijutsu Nitouhei | 現代美術二等兵 | ARTIST

「お菓子の世界に駄菓子があるように、現代美術の世界にも駄美術があっていいのでは?」。そんな安易(?)とも思えるコンセプトを掲げ、結成された籠谷シェーン、ふじわらかつひとによるアートユニット、現代美術二等兵彼らの展覧会や、ホームページ上で毎月更新されている「月刊駄美術図鑑」などを訪れればすぐにわかるように、誰もが思わずニヤけてしまうアイデア一発の作品で観る者を引き込んでいく現代美術二等兵は、凝り固まった現代美術シーンを脇目に、独自の立ち位置を見事に確立しているように見える。東京と大阪という異なる都市で生活し、作品も各々が個別に製作しているという特異な関係性で、創作活動を続ける彼らを取材した。

Text:原田優輝

 

まず始めに、ユニット結成のきっかけから教えてください。

籠谷(以下K):大学時代、彫刻専攻でよくつるんでいた3人が、卒業してからグループ展を始めたのがきっかけです。当時は、みんな就職をして1年くらい経った頃だったのですが、世間の動きと、大学で学んでいた現代美術や先輩後輩の作品の間にスゴくギャップを感じていて、「全然リアリティないなぁ」と思ったりしていたんです。あんなものなら僕らでもすぐ作れると、「じゃあ、どこか貸画廊で展覧会やってみよう。明日から僕らも作家先生やん!」と意気込んでしまい、それ以降毎年展覧会をやるようになりました。その後一人脱退して、今に至っています。

おふたりはどのようなものに影響を受けてきたのですか?

ふじわら(以下F):テレビっ子だったし、関西人だし、ドリフとか吉本新喜劇で育ってきたんでしょうね。特別何かが好きだったというよりも、何でも見てきたことが蓄積されているんですかね。インパクトがあったもので覚えているのは、『マカロニほうれん荘』とか、ジュリーの衣装とか、仮面ライダーの怪人とかです。あと、初代『ルパン三世』も、再放送で繰り返し見ていましたね。

K:僕も『マカロニほうれん荘』は影響を受けましたね。他に『がきデカ』『嗚呼!! 花の応援団』とかも読んでいました。コミックの『ドラえもん』もかなり好きでしたね。お笑い番組や、ラジオの深夜放送とかにも影響されています。雑誌なんかでは『ビックリハウス』や『宝島』とかですね。

F:そういう影響受けてきた色々なものに共通しているのは、「エンターテインメント」だということなんです。「とにかく人を楽しませよう」とか「驚かせよう」とか、そういったことに工夫を凝らしているという点では、今の自分たちの作品も同じかもしれません。逆に、文学的なものとか美術的なものには興味がなかったですね。

現代美術二等兵現代美術二等兵

作品制作におけるインスピレーションソースにはどのようなものがありますか?

F:テレビ、オモチャ、テレビ、テレビ、映画、テレビ、展覧会、テレビ…。あー、やっぱりテレビが多いですね。

K:僕も同じくテレビを見たり、街をブラブラしたりして、世間に存在する「何だこれは? 全く意味がわからない!」というモノやコトなどに、仕事中とかでも心の中でツッコミを入れていて、そこから作品につながることが多いですね。

現代美術二等兵の作品には、独特の「ユルさ」が感じられます。

F:シャイなので、全力でやっていると見られるのが恥ずかしいのかもしれないですね。だから、ユルい感じに見えるようにしているのかも。ユルく見えるように全力でがんばってます。

K:自分は特に「ユルさ」を意図しているわけではないのですが、僕ら世代は”頑張りすぎない美徳”みたいなものに侵されているところがあって、そんな部分が作品に出ているのかもしれません。

現代美術二等兵

 

おふたりの作品からは、現在の現代美術への批判やアイロニーのようなものも感じられるのですが、日本のアートシーンにおける自分たちの立ち位置をどのように捉えているのですか?

K:「現代美術二等兵」というユニット名は、現代美術というヒエラルキーというかピラミッドみたいなものがあるとしたら、オレらは最下層のポジションだなと思ってつけました。最初は、現代美術をダイレクトに茶化した作品が多かったのですが、最近ではそんなに必死に挑発するほどのものでもないな、と思ったりしています。なんか偉そうですが…。そういうわけで、「アートシーン」とかに対しては、向こうからはもちろん無視されているのですが、こちらからも無視というか。実態があるかないかわからんものを気にしてもしゃあないですしね。実際に見に来てくれる人の反応は気になりますが。

作品を見に来てくれる人たちとは、どのようなコミュニケーションを取りたいと考えているのですか?

F:(作品を見て)「おもしろいかどうか?」「びっくりするかどうか?」「幸せな気分になれるかどうか?」というようなことを考えてますかね。作品を通して我々とコミュニケーション取るのではなく、見に来た人同士で「あれはオモロい」とか「あれはわからない」とか話したりできるようなコミュニケーションツールとして使ってくれればいいかと。

K:カッコ良い作品は作らないようにしてるつもりです。というか、できないんです。思いついたことが伝わったかどうかは大事だと思うのですが、伝わらなかったとしてもそれはそれで「不徳の致すところ」と受け入れています。それを確認するため、なるべく画廊には滞在したいのですが、最近はなかなか毎日いるのは難しいですね。お客さんをドアの陰からひっそり見て反応を確かめたいのですが…。

それぞれが印象に残っている作品を教えてください。

F:「バーチャルスイミング」というラジコンで走る頭ですね。走らせるとどこでも水面に見えるという作品です。他の作品となんら変わりない「思いつきの実現化」によるもので、一度は手放したのですが、テレビ番組で紹介したらなにやら好評で、また返してもらいました。

現代美術二等兵

 

K:僕は「こけしアレー」ですね。意図して作ったものなんですが、出来上がったものを見ると何か”天然”なものを感じて。先ほど言った「何だこれは? 全く意味がわからない!」的なものに近づいたかなと。

現代美術二等兵

 

だるま、こけし、日本庭園、能など、日本の文化・風俗が題材になることも多いようですが、そこには何かこだわりがあるのですか?

K:確かにそういう作品が多いので、日本文化に詳しいとか、こだわっていると思われることもあるのですが、実はそんなに深い知識やこだわりはなくて、モチーフとしてツッコミどころ満載のものがそういった民芸品や土産物、日本の古典的なものに多かったというだけです。子供の頃は般若の面とかこけしとかは何か気持ち悪くて、ちょっと怖かったのですが…。その反動もあるのかな。

F:身近にあって、誰もが知ってるものの方が元ネタにはしやすいからですからね。

作品タイトルも毎回とてもユニークですが、タイトルと作品の関連をどのように考えていますか? タイトルがあって初めて完結するような作品も多いように感じます。

F:そうなんです。タイトルが補助しているんじゃなくて、タイトルがメインのことも多いですね。見る人が右脳左脳を同時に使うと言うか…。違いますか。作品があって、近づいてタイトルを読むと、「ああ、そうか」という2コママンガ的なものが笑わせやすいんでしょう。思い付きが色や形じゃなくて、「言葉」であることが多いんですかね。

K:毎度ではないのですが、タイトルを思いついてから、「このタイトルに合う作品はどんなものだろう?」と考えながら作り始める場合もあります。「こんな変なタイトルの作品はどこにもないやろ!」とほくそ笑みながら作っています。

現代美術二等兵

 

ユニットという形態を取りながらも、共同制作ではなく、それぞれが個別に作品を製作するというスタイルを取っている理由を教えてください。

F:普段、東京と大阪で離れて暮らしているので、一緒に作れないということもありますが、お互いに仲間でもありファンでもあるので、相手が上げてくるアイデアや作品を単純に見てみたいというのが大きいですね。

K:そうですね。まずはふじわらの反応が見たい気はしますね。アイデアをメールして反応がない時も多々ありますが…。

最後に、今後の予定や展望について教えてください。

K:毎年恒例の秋の京都での新作展の開催が決まっています。あと、まだ仮なんですが、他にも展覧会の予定がいくつかあります。今後は、作品のプロダクト化や、駄美術的な商品開発などもやってみたいですね。本もまた出せたらなーと思ったりもしています。

現代美術二等兵

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