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I AM ROBOT AND PROUD | アイ・アム・ロボット・アンド・プラウド | Musician

アイ・アム・ロボット・アンド・プラウド名義で活動するトロント在住のミュージシャン、ショウハン・リーム。日本では、盟友トクマルシューゴやアセンブラ(竹村延和+Fylue Deau)、group_inouなどのヒネリの効いたサウンドメイクを得意とする個性豊かなアーティストたちと交流をもつ彼が、5月16日に開催されたカンファレンスイベント 「PUBLIC/IMAGE.METHOD」でプログラマー/アーティストである真鍋大度氏とのセッションのために来日した。昨年8月に、4thアルバム『UPHILL CITY』を発表して以来、ますますそのドリーミーでポップなエレクトロニック・サウンドに人気が集まる中で実現された今回のコラボレーション。その全貌と、そこから見えてきた新たなビジョンを語ってもらった。

Text:前谷理恵
Translation:シェーファー麻里


今回の来日では、様々なインタラクティブ作品で注目を集めるプログラマー/アーティストである真鍋大度さんとセッションをされたそうですが、どのようなパフォーマンスだったのですか?

僕の音楽と、彼の開発したデバイスを融合させたパフォーマンスをしたんだ。LEDを口に入れたスタッフと、顔に装置を付けたスタッフがいて、僕の演奏に、そのLEDと顔の装置が反応するようになっていたんだ(詳細はこちらから)。

演奏に応じて、自分でも想像していない反応が起こるということですよね。

そうだね。オーディエンスに美しく聴こえると確信している演奏パターンがあるんだけど、今回それを演ってみたら、視覚的には全然キレイじゃなくて。だから、どういう風に弾いたらLEDがキレイに光ったり、面白く見せられるのかというのスゴく考えさせられたよ。そのおかげで普段の決まったパターンではなく、新しい演奏方法や順番を考えたり、発見することができたんだ。

このようなコラボレーションをしてみて、どんな感想を持ちましたか?

僕の演奏はほとんど即興だったんだけど、特にLEDのパフォーマンスの時は、自分の音楽が視覚化されて明解なフィードバックが見えたから、その様子を見ながら、次の展開へのインスピレーションを得ることができて、本当にクールで面白かったよ。


MoMAプロデュースによる短編映画のサウンドトラック制作や、インスタレーション作品への楽曲提供など、様々な領域との接点を持った活動が多いですよね。

そうだね。フィールドが違う人と一緒にやることは、僕にスゴく良い影響を与えてくれるんだ。今回みたいに音楽を視覚化するプロジェクトもやったことがあるよ。やっぱり、テクノロジーを融合させて次の領域に行く、特に音楽とのインターセクション(交差)に興味があるんだよね。テクノロジーがどのように音楽の可能性を伸ばせるか、とかね。最近では、音楽とゲームの新しいプロジェクトに取り組んでいるよ。ゲームを使って音楽をビジュアライズするためのね。通常、ゲームは映画と同じで、まず先にコンテンツが作られ、後から作曲者が関わるんだけど、今回のプロジェクトでは、両方を同時に進めていったんだ。僕は、ゲームのスコアを作曲することに強い興味があったわけではなく、ゲームにはすでに動きやリズムがあるわけだから、「もしゲームが生きていたとしたら、どういう音を出すか?」ということを考えながら作っていった。これはカナダでのプロジェクトなんだけど、実はまだ詳しくは話せないんだよね。

小さい頃からクラシックピアノをやっていたようですが、そうしたフィジカルな演奏から、打ち込みでの制作に興味が移っていったのはなぜですか?

クラシックピアノをやっていたけど、特に子どもの場合は音楽性(技術)を鍛えるというより、ほとんど体操と同じように毎日練習して指や手の機敏性を鍛えながら筋肉を作っていくのが主なんだ。ピアノの練習は体を使ってできる制限がある中で、その部分を鍛えていくものだけど、コンピューターに興味をもったのは、その枠から解放されるからなんだ。80個のキーをいっぺんに弾くことは、人間の身体では絶対無理でしょう? でも、コンピューターならそれが可能だからね。そういう身体表現の枠から外れていくところが面白いと思ったんだ。

I AM ROBOT AND PROUDI AM ROBOT AND PROUD

昨年リリースされた4thアルバムは、これまでの集大成的な作品になっていたと思いますが、何か新しい試みはしていますか?

毎回、過去の間違いから学ぶことが多いので、常に進化しているとは思うよ。最新アルバムとその前のアルバムの間に、とても多くのライブをやっていたんだ。だから、アルバム自体はエレクトロサウンドではあるんだけど、ライブでバンドが演奏できるような楽曲ということは意識していたね。…面白いよね、またフィジカルな表現に戻っているなんて。さっき話したように「人間のできる枠を越えて」っていうところからスタートしているのにも関わらず、「このベースラインを実際に演奏できるようにしなきゃ」ってことを考えながら作曲していたんだ(笑)。完全にではないけれど、結局、「身体的な制限」に戻っているっていう…。

原点回帰ということかもしれませんね。

今まで考えたこともなかったけど、本当にそうかもしれないね。誰かが演奏しなくちゃならないと意識することで、作曲の仕方もかなり変化してきている。「このフレーズが2分も続いたらきっと飽きちゃうな」とか(笑)。もっと演奏している人が楽しいように、インタラクティブなデザインをしている感じだよ。

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やはり、ライブで「演奏」することはエキサイティングなことですか?

うん、そうだね。だから、ライブの時は必ず演奏するようにしているよ。キーボードを取り入れたりしているのは、わざと間違えをしたいとか、わざと違う味を出したいというところもあるからね。それはとてもリスキーなことでもあるけど、結局そこがライブの一番の楽しみじゃない? 例えば、演奏者にとってその日がスゴくバッドな日だったとしたら、それが演奏にも反映されるからね。そこが面白いと思うんだ。

ハプニングが予想外の面白さを生む場合がありますからね。

そこを期待しちゃうし、それが楽しいんだよ。ライブはCDとは全然違って、人間味が感じられるでしょ。今の僕は、コンピューターのように簡単にリプレイできるものではなくて、演奏者の骨格、筋肉の強さ、癖みたいな個性が独自の表現となった、決して再現できない今だけの音に興味があるんだよね。

今後の展望を教えてください。

今は音楽をビジュアル化することに集中しているんだ。例えば、ロックバンドは、ドラマーがスティックを指でクルクルまわしてドラムを叩いたり、ギタリストが腕を振って演奏したりという「音楽のビジュアル」が埋め込まれているよね。そういうビジュアル化って、エレクトロニックな音楽にはあまりないんだよね。だから、今プランをしているビジュアルシステムでは、そういった音楽のビジュアル化ができるように意識して色々作業しているよ。今回、大度とコラボレーションしたような感じのね。このアイデアをバンドでできないかと思っているんだ。次の来日時期はまだ未定だけど、そのバンドが形になって、披露できたらいいな。

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