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MASS OF THE FERMENTING DREGS | マス オブ ザ ファーメンティング ドレッグス | Musician

圧巻のライブ・パフォーマンスが魅力の女性二人組オルタナ・バンド、MASS OF THE FERMENTING DREGS(以下、マスドレ)。共同プロデューサーに中尾憲太郎(ex.NUMBER GIRL)を迎えたセカンド『ワールドイズユアーズ』を年明けに発表するも、2月にボーカル宮本が喉を痛めてツアーを中止・延期せざるを得なくなるという出来事もあった2009年。しかし、その経験を元に様々なことを見つめ直し、確認作業を繰り返したことで、2010年はマスドレにとって、きっと大きな飛躍の年となるだろう。リリース・タイミングではない時期の貴重なインタビューで、今年1年の活動をじっくり振り返ってもらった。彼女たちは、12月11日に恵比寿LIQUIDROOMで開催されるイベント「Public/image.FOUNDATION」への出演も決定している。

Text:カネコアツタケ


10月に発表されたくるりのトリビュート・アルバムに参加されてましたよね。マスドレは「飴色の部屋」(『ジョゼと虎と魚たち』サントラ収録)のカバーをしていましたが、この選曲のポイントは?

宮本菜津子(Ba/Vo):最初にトリビュートの話が来た時に、「飴色の部屋」か「愛なき世界」のどっちかをやってほしいって話だったんです。私は『ジョゼ〜』がスゴく好きで、あのサントラはホントにメチャクチャ聴いてて、自分のなかであの曲のイメージは確立されてたんで、「カバーとか無理です」って感じだったんですけど、「どうしてもやってほしい」って言ってくれて、「じゃあやります」って。

岸田さんがブログでマスドレを紹介したり、実際その後一緒にツアーを回ったりして、色々影響を受けた部分があるかと思うんですけど、特にどんな部分で影響を受けましたか?

石本知恵美(Gu/cho):音楽的な面より人間性というか、出会いに対して改めて考えるきっかけになったっていうか。音楽をしてないと出会えなかったかもしれないけど、音楽が一番なんじゃなくて、出会って自分が変わったりすることが大事で、色々感じたり、話をしたりすることが、また音楽に違う形で出せればいいなって。

宮本:色んな人に会ったりするために(音楽を)やってるんかなってぐらいの勢いっていうか。たまたま自分たちは音楽というアプローチを選んだけど、それが絵でも何でも人との繋がりの方が大事なんだって改めて感じましたね、特にツアーは。

マスドレ

先日、マスドレの企画ライブは、高円寺の20000Vという決して規模の大きくないハコを選んでいて、大阪の対バンも知名度はあまり高くない地元のバンドでしたよね。それってまさに人と人の緊密なコミュニケーションを大事にしてることの表れかなと。

宮本:そうですね。今のところ、周りの何かに縛られてやりたいことができないって状態じゃないんですけど、これからも自分たちがやりたいバンド、繋がりが持ててるバンドを大事に考えた企画として、ずっとやりたいっていうのがあって。

石本:知らんうちに色々忘れていくんやと思うんですよ。バンドを始めた当初の感覚とか思い出とかそういうのを、こういう企画で取り戻すというか。

宮本:東京に出てきて、「私こんなに忘れっぽかったっけ?」って思うようになった(笑)。元々忘れっぽいんですけど、「忘れとった」ってことまで忘れてたんですよ。東京は怖いなって(笑)。東京のせいにするわけじゃないけど、忘れることのニュアンスが変わったような気がして、確認作業をもっと細かくしていかないと、えらいことになるなって思ったりしますね。

あと宮本さんはつい先日、初めて弾き語りをされたんですよね?

宮本:それは聞かないでください…変な汗が止まらんかって(笑)。マスドレやってる時はお客さんの方見て歌えるくせに、一人になると目つぶってしか歌えんかって、怖くて。一曲目とか声裏返るし、冷や冷やしながら…バンドってスゴいなって思いました(笑)。それは知ってたんですけど、改めて思い知らされとこと思って。度胸つけるためにこれからもやっていこうと思うんですけど、でもホント「あああ〜」って感じでした(笑)。マスドレでもライブ前は毎回お腹痛くなるんですけど、弾き語りほどの緊張感はないから、これ忘れたらあかんなって感じましたね。

それも一つの確認作業になったわけですね。

宮本:確認でした、捨て身の(笑)。

マスドレマスドレ

ちなみに、今もライブ前は毎回お腹痛くなるんですね。元々緊張しいなんですか?

宮本:緊張しいなんだと思います、きっと。でもバンドのライブとか、バンド以外で緊張することあんまりないかな。

それだけ特別なんでしょうね。気合いも入ってるってことだろうし。

宮本:何なんでしょうね、あのお腹痛いのは? 自分でもよくわかんなくて、「何回もやってるやん!」って思うんですけど。

石本さんもそうですか?

石本:めっちゃ緊張して言葉数少なくなるか…変なテンションになるか(笑)。スゴい自分にね、問うんですよ。「ずっとやってる曲やん? 何年もライブしてきてるやん? なのに何で緊張してんの?」って(笑)。

でも、それに慣れちゃったら問題なのかもしれないですよね。日常の延長でフラッとステージに出て行くようになっちゃったら、それはそれで問題だと思うし。

宮本;そうですね、それは思う。ちょっと慣れたいけど、慣れたくない。当たり前の作業みたいになっていくのが怖いんですよね。

石本:日常の延長でステージに上がってしまうと、お客さんとの温度感がぐっと広がりそうな気がして。お客さんはみんな日々頑張ってることがあって、でも音楽が好きで、非日常のなかで楽しんでる。一人ひとりがどういう気持ちかはわからないけど、特別な感じで来てると思うから、ヌルっと出て行って、「やりまーす」みたいな感じで、疲れもせず帰ってきたら申し訳ない。

宮本:ライブ後に疲れてないと不安になるっていう(笑)。「ぜぇぜぇ言ってないけど大丈夫、これ?」って。

実際、ライブのテンションはスゴいですもんね。マスドレのライブはスゴく好きです。あのやり切ってる感じ、それこそ一期一会みたいな、そういう感じがします。

宮本:ああ、それはスゴいうれしいな。

だからホント初心忘するべからずだし、お腹痛いのも忘れないようにしてほしいですね(笑)。

宮本:多分一生お腹痛いと思うんで、大丈夫です(笑)。


では、より広く2009年を振り返ってもらいたいと思うんですけど、まず1月にセカンド『ワールドイズユアーズ』が出ました。今振り返ると、あの作品は自分たちにとってどんな意味合いを持つ作品だったと思いますか?

宮本:ファーストが初期衝動的なものだとしたら、セカンドはそこからちょっと離れたというか、違う面の一枚やから、自分たちにできることがわかって、次に行くための一枚やったって気がスゴくする。

石本:ファーストもセカンドも軸は変わってないけど、演奏する自分たちが変わったことで生まれたみたいな。でもセカンドに関しては跳び箱の前の踏み切り板をドーンって踏んだ感じ。

ということは次で大ジャンプ、期待してます。あと、2月には宮本さんの喉の状態が悪化して、ツアーを中止・延期するということがありました。もちろん、つらい経験だったと思うんですけど、今振り返るとあれがあったことで感じたことや、思いを強めたこともあるかと思うのですが、いかがですか?

石本:当たり前になっていくことも、忘れていくことと同じくらい多くて、なっちゃん(宮本)がバンド内におって、歌を歌ってるのが決して当たり前じゃなくて、こういう風になりうるってこともわかったし、そこで残った自分は何ができるんやろとか、色んなことを考えました。

宮本:あの時はホンマ大変やったけど、そういう時の二人の心強さをホンマ感じたし、歌えなくても前にいる人たちに伝えるために何ができるかってことを考えたりしましたね。ライブを延期してからは、ボイス・トレーニングにもちゃんと行き始めて、色々適当になってたこと、周りの人のこと、お客さんのこともそうやし、音楽に対して、歌に対して、色んなことを一回止まって考えることができたというか。ホンマ色んな人に迷惑かけて、ホンマごめんって思うけど、貴重なタイミングを与えてもらえたなって思ってて。


では最後に、12月のイベントに向けて、今のマスドレのライブはここが見所!というところを教えてください。

石本:(サポート・ドラマーの)吉野さんのファッション。

そこですか(笑)。

石本:昔からずっとそうなんですけど、その日のライブはそれしかないっていう。さっき一期一会って言って頂いてスゴくうれしかったんですけど、「今日はどんなライブなんだろう?」って楽しみはやっぱりある。毎回同じくらいがっつり見せてくれるバンドもスゴいと思うし、自分らもそれを見習わなければならないんですけど、でもなんかちょっと危なっかしい、セットは同じでも何か違うみたいな、それを味わえるのがライブハウスっていう空間だから、自分らでもどんなライブになるかわからへんし、お客さんもわからへんと思うし、それを楽しみに来てほしいかな。

宮本:あとはちょっと新しい曲が増え始めてるよ、みたいな。ちょいちょいやり始めてるよって。でも、やり始めのときの新曲のグルーヴ感のなさを許してくれっていう(笑)。

その段階を楽しめるのも今だからこそですよね。

宮本:アワアワしてるマスドレって部分も(笑)。まあ色んな新しい曲ができて、セットリストも遊べたらと思っているので、色々やって行きたいと思います。





MASS OF THE FERMENTING DREGSも出演する12.11(金)恵比リキッドルームで開催するライブイベント『Public/image.FOUNDATION』。
今回はスペシャル感謝祭!なんと入場料無料でマスドレのライブが楽しめます!

ご応募、詳細は、こちらから。


Event Information
「Public/image.FOUNDATION SPECIAL: FREE LIVE SHOW!!!」
開催日時:2009年12月11日(金)18:30 開場 / 19:00 開演
LIVE:MASS OF THE FERMENTING DREGS / Metalchicks
Opening Act:神聖かまってちゃん
DJ:Twee Grrrls Club
VJ:onnacodomo
入場料:無料(without 2Drinks)
会場:恵比寿LIQUID ROOM


 

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