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POTTO | ポト | Fashion Designer

「自由であること、心地よく暮らせること、DIYであること」をコンセプトに、商品をいっさい工場に出さず、すべて自らの手で製作するPOTTOのデザイナー、山本哲也。そのクリエイションは、一枚の絵を洋服にしてしまうものから、名前のアルファベットをドレープのようにドレスに馴染ませるものまで、非常に独創的でワクワク感に満ちている。「自分が個人的に作りたいものをひたすら続けていく」と語る山本にクリエイションの源泉を聞いた。

Text:小柳美佳


まずは、POTTOを立ち上げたきっかけから伺いたいのですが、山本さんは昔からファッションに興味があったのですか?

もともと洋服は好きで興味があり、専門学校に行くことになって東京に出てきました。当時は(マルタン・)マルジェラや、アントワープ6が全盛期だったので、ダーク・ヴァン・サーンなんかが好きでした。卒業後、自分で洋服を作るようになって、自然にこうなったという感じです。

POTTOも自然に立ち上げたということですか?

そうですね。自分で(ブランドを)やりたいなとはずっと思っていたんですけど、そのために何年間かどこかで下積みをして、ということはしませんでした。だから、始めたばかりの頃は生地屋さんも知りませんでした。しばらく自分で作り続けていたのですが、そうすると今度は誰かに見せたくなってくるんですよね。そこでショーをやり始めて、だんだん広がっていったという感じですね。

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ショーでの発表をストップして、お店を作ったのが2006年頃ですよね。その理由を教えてください。

ショーをやっていた時は、「見せて終わり」ということが多かったんです。それで、お店を作ったんですけど、そうするとお客さんと直接触れられるので、意見や希望などを知ることもでき、それが洋服に活かされるようになりました。そういう意味で僕が作るものも、お店ができてから変わってきた部分もありますね。以前は、僕の服は着るのが難しいと言われていました。「どこで誰が着るの?」というような意見もありました。だから、実際にお店に置いて好きな人に着てもらいたいと思ったのも店を開いたきっかけのひとつなんです。

もうショー形式での発表には興味がないのですか?

前みたいな感じではなく、新しい違うやり方でできないかなと考えています。日々の積み重ねを見てもらえる発表方法が自分にとっては自然なことなんです。そもそも洋服ぐらいじゃないんでしょうか、決められた時期に新しいものを発表しなくてはならないのは。例えば、画家でも音楽家でも、毎日作業しているけど、いいものができるまで発表しませんよね。だから、まずはブログをちゃんと始めて、毎日作ったものをどんどんアップしていければと思っています。

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洋服を作る過程で、最初に明確なコンセプトを決める人もいれば、コンセプトを決めないで思うままに作っていく人もいると思うのですが、山本さんの場合はいかがでしょう?

何年も前は、「こういうことをやりたい」というのを先に決めて、そのためには何を作っていく必要があるかということを考えていくような作り方をしていた時期があったんです。でも、だんだんそれが不自然な感じがしてきて。コレクションが終わったら、またすぐに次のシーズンのことを考えて、というのが洋服のサイクルだと思うんですが、それはおかしいなと感じて、徐々にその方法からは離れていきました。今は、日々の生活のなかで作るものを積み重ねている感じなので、シーズンごとのコンセプトというのはまったくありません。

ただ、一枚の絵が洋服になるというシリーズなど、かなりコンセプチュアルな作品が多いように思うのですが。

あれも特別な意味があるというわけではなくて、作りたいと思ったから作ってみたんです。自分で絵を描いたり、もともとある絵をトレースして、そこからパターンを起こすという手法で作りました。実際に、22,3歳の男の子が買ってくれて、赤帽で届けに行きました(笑)。それは1.8×1mぐらいの大きさだったんですけど、大きいものは、ウチの玄関ドアから出なくて、2階の窓を外して取り出したり(笑)。

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作品のアイデアはどんな時に浮かぶことが多いですか?

普段の生活のなかで浮かぶことが多いですね。あの絵のシリーズに関しても、ちょうど絵に興味を持ち始めた頃で、絵を描きたいけど洋服も作っているから洋服にもしたいし、という理由で。もともと絵を見るのも好きで、マティス大竹伸朗とかが好きですね。

その前にも、一枚の布に切り込みを入れて洋服にするという作品を発表されていますよね。それも普段の生活の中からアイデアを得たのですか?

そうですね。あの頃は、デザインをあまり複雑に考えないで、もっとシンプルに考えようと思い始めた時なんです。今ではその考えはすっかり定着していて、「デザインする」ということすら考えません。

日々の生活の中での積み重ねという点では、住まいと一緒になっているお店のあり方にも通じるところがありますね。

もともとは作る所と住む所を別々にしようかとも考えたのですが、経済的な理由もあって一緒にしました。案外お客さんも逆にそれが良いと言ってくれています。お店があって、洋服を作って、工場に出して、何枚売らなきゃいけないというサイクルになってくると、お店をやるために無理しなくてはならない。そこにひずみが出てくると思うんです。僕らはそんな無理をしたくないんです。

だから工場には出さず、自分たちのできる範囲内でもの作りをしているのですか

そうです。作れない日ももちろんありますけど、基本的には日々何かを作っています。工場に1、2枚だけ出すと恐ろしく高額になってしまうけど、自分で作る分には価格もコントロールできますし。以前は卸しもやっていたので、ファッションのシステムに入っていた時もありました。でも、色々考えてやっても、結局は売るための戦略でしかなくって……。

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今はショーの代わりにお店があるという感じだと思いますが、洋服を売るために何か工夫をしていることはありますか?

今は前よりも直接お客さんの顔を見ることができるので、前よりも細かい所を考えるようになりました。宣伝することよりも、時間を使っていいものを作ろうというスタンスに変わりましたね。あと最近は、女の人が綺麗に見えるような服作りを考えるようになりました。

洋服を作る上で最も大切にしていることを教えてください。

自分が作っていて楽しくないものは作れない。作る上で楽しいものに専念しています。

次シーズンはどのような感じになりそうですか?

3月か4月に発表できればいいなと思っているのですが、作りたいものもすでに決まっています。結構時間がかかりそうなので、今から少しずつ作り始めています。気軽に着られる大作という感じです(笑)。今回も「絵」つながりです。絵を着ているようでいて、カタチもキレイな服を作れたらと思っています。

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