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NA2ME | ナツメ | Artist / Illustrator

NA2MEの絵に登場するのは、魅惑的な女たちと少しの男。おかしな姿勢で固まった女たちは、妙な倦怠を蓄えて、反逆の隙をうかがっている。解放から堕落への放物線を描く、規格外れのフリークスたち。それらの響宴が生み出す狂った磁場―アンダーグラウンド。それらと同じ地平で、同じ場所で生きながらNA2MEはそこにある美をただがむしゃらに描く。動物的な態度で。野獣のようなその渇望は本当にリアルだ。そんなNA2MEの活動が、最近活発になって来た。彼女のブログで綴っていた言葉を詩の形で応答する、辺口芳典とのコラボレーションで生み出されたすばらしい『女男男女女男女女女男女男男女男女女』の出版。PUBLIC/IMAGE.3D、そしてgallery POINTでの展覧会も控え、アクティブに活動する彼女に絵を描くことについて聞いて来た。

Text:庄野祐輔


今回の本に収録されている絵は、大阪時代から今に至るまでずっと描きためていたものなんですよね。

そう。この10年間に憂さ晴らしのように描いてきた絵です。例えば、依頼されて描く絵だったら、こういうふうに描かなきゃいけないというのがあるじゃないですか。雑誌だったら、「モード風に華やか」にとか。そういうことを何にも考えないで、「今日なんか疲れたわ~」って思って描いた絵の10年間。もともとは、絵日記だったんです。だから、崇高な気持ちはそこに全然なかった。子供の落描きみたいな気持ちで描いていた。それをブログに上げていたら、仕事が来始めた。運が良かったんですよ。とてもいい人たちに拾ってもらってきたっていうか。東京に来て思ったのは、東京の方がキャパシティが広いってこと。大阪ではさんざんでした(笑)。飲食店での展覧会で、ご飯がマズくなるって言われて、当日に絵を飾るのを断られたり。

絵に出て来る女の子たちはとても独特ですね。それは大阪時代のライフスタイルとか、出会った人たちに影響されて生まれたものなのですか?

わたしって、バカな女にばっかり知り合っちゃうんです。何度も何度も同じ男にダマされて、お金を取られたり。学習能力がないんです。女は感情的にのめり込んでいっちゃうから、それで拒食症になってしまったりする。美しくなりたいから、ご飯を食べないとか、シャブを打つとか、整形をするとか。その執念って、究極的だと思う。そういうのを、心のどこかでバカなんじゃないのって思いながら、この子たちは自分にないものを持っているなって。それが美しく見える。美に対してとか、好きな男に対してとか、彼女たちは恍惚とした表情でしゃべるんですよ。そういう女の子が描きたい。

NA2ME

 

ダークな部分はもちろんあるけれど、一方で楽しそうな世界にも思えます。

普通の人は、そういう人を見ると、「気が狂ってる」とか「可哀想な人」って言うんだけど、本人たちは楽しんでる。「今日一日でまた美しくなった」って、妄想のなかで思ってる。人から見たら酷い状況なのに。でも、本人は輝いてるんですよね。絶望の先にあるファンタジーと言うか。

それは、普通の人からしたら見たくないようなシチュエーションだったりすると思うのですが、どうしてそういう人たちに惹かれるのですか?

普通人間は好きなものに行くじゃないですか。好きなものを追求しようって。私は考え方が逆で、嫌いな方に突っ込んでいくタイプなんです。「なんで嫌いなんだろう?」とか、「なんでこの人が好きって言っているものを自分は嫌いなんだろう?」とか。それを突き詰めていったら、気付いてみると、まわりがスゴい変な人たちばかりっていう状況に陥ってた。普通の人だったら避ける人間を、私はたまたま友達になる。怖いじゃないですか、人の闇とかって。深入りしたくないんだけど、私はそこに突っ込んで行ってしまう。それを自分の中で昇華させていくうちに、また新しい何かが見えて来て、そしてまた新しい作品ができる。

NA2MENA2ME

人の中にある、闇みたいなものを覗いてみたいのですか?

パンドラの箱と一緒です。開けてはいけない箱を開けてみたい。インドもそうじゃないですか。インドってバスとか定員30人のところを100人ぐらい乗って、人とか轢いても誰も救急車も呼ばない。人の死がもっと身近。そういう動物的な感性で生きてる。それと同じものをその女の子たちにも感じるというか。でも、私は普通に日本に住んでいて、そういう状況に適応できない部分もある。普通じゃない状況を見て、フーンって言っている自分と、それは大丈夫じゃないって分かっている自分との葛藤があって、なにかでそれをセーブしないとダメだった。それが絵を描いている理由です。大阪の難波に住んでいた頃は、毎日がそんな感じだったから。耐えきれなくなって、絵に逃げたんです。

今回のアートブックでコラボレートした辺口芳典さんと出会ったのは、大阪時代ですか?

お互いに作品は知ってたんだけど、最初はしゃべる機会がなかった。私が東京に行くことが決まった時に、突然「じゃあNA2MEが東京に行くまでロマンス的に遊ぼうぜ」って言われた(笑)。すごくロマンチストなんですよ、詩人だから。東京行ったら恋愛文通しようとかいって、そのための過程で、お互いを知るために遊ぼうって。それで、私が飲み歩いているおかまバーをさんざん連れ回し、げっそりさせて帰らすみたいなことをし続けて(笑)。そこから文通を始めました。それをブログで発表したら、スゴい反響で。そこから今回の本につながっていったんです。

NA2ME

 

実際に一緒に本を作ってみていかがでしたか?

スゴくうれしかったですね。7年くらいずっと一緒に遊んで来たし、お互いの作品はリスペクトし合っていたんだけど、絵と写真と文章だからこれまではあまり接点がなかった。だから、今回こんなことが一緒にできるなんてって。コラボするとき、NA2MEのことをもっと知ってから作品を作りたいから、まず私に文章を書けって彼から言われて。それで、自分の過激な人生のエピソードをブログに非公開で書いたんですけど、それを彼が読んで詩にしてくれた。出来上がった詩は、全然私の人生じゃないですけどね(笑)。大阪にもたくさんいいアーティストがいたけど、みんないなくなっちゃったんですよ。そのなかで、「こいつは刺されても死なないな」って思ったのは、彼だけだった。奇跡な男ですよ、彼は。




Exhibition Information
nobodyhurts presents NA2ME and 辺口芳典’s
『女男男女女男女女女男女男男女男女女』 exhibition

作家:NA2ME / 辺口芳典
会場:PUBLIC/IMAGE.3D
   東京都世田谷区池尻2-32-2-1F
会期:2010年3月12日(金)〜 3月22日(祝月)
12:00-19:00 (月曜日定休/祝日除く)入場無料
オープニングレセプション:3月12日(金)19:00-22:00
DJ:DJ やけのはら

 
 
 
市内関係
【スペシャルライブ】
「市内関係の市外活動」
日時:3月21日(日)Open 17:30 / Start 18:00
出演:市内関係(辺口芳典 / 溝辺直人 / マリヲ / 黒いオパール)
「市内関係の未確認生き物物体担当のなーちゃんこと西端奈緒の東京での生存が当日未確認されるかどうかは前向きに未確認中です。」
トークショー:NA2ME × 辺口芳典
入場料:1,000円(1D込み)



Book Release Information

女男nobodyhurts 第一弾リリース
『女男男女女男女女女男女男男女男女女』



同時期開催 展覧会情報
『SLEEPING OF THE INSIGHT』

作家:NA2ME
会場:gallery POINT
会期:2010年3月20日(土)〜3月28日(日)
12:00-20:00(最終日は17:00まで)
オープニングレセプション
3月19日(金)19:00~21:00



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