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SHOTA SAKAMOTO | 坂本渉太 | Movie Director

数々の脱力系アニメーションを独学で作り上げる京都在住の映像作家・坂本渉太ボガルタneco眠るなど関西を拠点に活動するアーティストたちのミュージックビデオを多数制作し、昨年11月にはDVD作品集もリリースされるなど、その独自の映像センスで注目を集めているクリエイターだ。実写、立体造形、4コママンガなど、様々な表現方法を用いて一貫した脱力世界を形成する彼に、制作を始めたきっかけやバックグランド、多幸感に満ちた作品の裏に秘められたコンプレックスなど、さまざまな話を聞いた。

Text:石井幸太

映像を制作するようになるまでの経緯を教えてください。

大学のときに暇で始めたのが最初ですね。中学の頃からバンドをやっていて、自分の楽曲はずっと作っていたのですが、とにかく暇だったので、ミュージックビデオとかも自作自演で作りたいなと思って。まわりに映像を作っている友達もいなかったので、オモロイかなと。

neco眠る、BOGULTAなどのミュージックビデオを作るようになったきっかけは?

自分の作品集「THE DVD」にも自作ミュージックビデオが収録されている「トリオロスヘグシオ」というバンド名で活動していた時に、大阪のBRIDGEというライブハウスで、neco眠るやBOGULTAと対バンしたのが知り合ったきっかけです。彼らに自分のサイトにアップした映像を見せたりしていたら、「じゃあ、作ってや」と。

ミュージックビデオを制作される際は、アーティスト側とどの程度やり取りをするのですか?

全くしないですね。曲をもらってからは、映像の内容については絶対しゃべらないんですよ。ネタバレするから(笑)。なんかちょっとイヤじゃないですか。だから、完成するまでは見せないんです。


映像を作る際のインスピレーションソースを教えてください。

映像を作る時は、音からのイメージだけで作っています。ノイローゼになるくらいまで何百回とその楽曲を聴きます(笑)。自分を洗脳するように、バンドのメンバー以上にその曲を聴きまくって、自分の楽曲のミュージックビデオを制作するような感じで作っています。

制作のプロセスについて教えてください。

最初に楽曲を聴きながら思い浮かんだことやテーマ、パートごとのイメージなどをネタ帳にメモしていきます。その段階ではひたすら文字でキーワードを書いています。以前、neco眠るの「ENGAWA DE DANCEHALL」を作っている時にネタ帳をなくしたことがあって、その時は半年間やる気がなくなって、一切手につかなかったですね(笑)。アイデアを決めた後は、ペンタブレットで描いたものをパソコン上で動かしていきます。紙に手描きをすることはないですね。もともと絵が下手なので、どれだけ描きなおしても、こんな下手な絵しかできないんです(笑)。

坂本渉太

坂本さんの映像は、キャラクターなどの動きが独特ですが、こだわっている部分があれば教えてください。

なによりも見た目の面白さですね。基本的には自分の技術でできることをやっています。具体的なことを言うと、キャラクターが正面からこちら側に向かって歩いてくる絵が描けないんです…。横向きに歩いている絵は、足を動かせばいいので描けるのですが、こちら側に歩いてくるとなると、足の裏が見えたりするので、何コマも描かないといけない。そうなると画力も必要になってくるので…。

逆にその辺りが坂本さんの作品の魅力になっているような気もします(笑)。

でも、自分としてはもっと技術をつけたいんです。3DCGとかも早く覚えたいですね。3Dだと、正面に歩かせたりも自由にできるし、使い回しがメッチャ利くんですよ。いまは、自分の手持ちのカードがメチャクチャ少なくて面白くないところもあるので、これからはそのカードを増やしていきたいと思っているんです。

キャラクターの設定などはどのように考えているのですか?

だいたい最初にその映像の主人公のイメージを決めます。例えば、neco眠るの「ENGAWA DE DANCEHALL」には、主人公という主人公はいないんですが、江戸時代と言えば「徳川」とか「龍馬」みたいイメージっていうのがあまりピンと来なかったんです。それに、農民とかが出てくるものってあんまり観たことないじゃないですか。だから、あえて武士は出さずに、農民や飛脚などの労働者階級を主人公にしようというところから作り始めていきました。


これまでに影響を受けたアーティストはいますか?

AC部さんですね。前に、「どんな映像を作ったらいいんだろう」と考えながら、デジスタのサイトを見ていたら、AC部さんの作品があって、信じられへんほどおもしろくて戦慄が走ったんですよ。AC部さんは、3人それぞれが描いた絵が同じ映像の中で一緒になってるから、ワケが分からない(笑)。そういうのに憧れますね。あと、天久聖一さんなんかも僕の心の師匠というか、その辺をずっとパクり続けてますね。

マンガやアニメーションの影響はありますか?

マンガの影響はデカいですね。最終目標は「火の鳥」なんです。あとは、「ジョジョ(の奇妙な冒険)」も好きで全巻持っています。

ギャグマンガは読まないのですか?

あんまり読まないですね。ギャグマンガってどんなものがありましたっけ?

例えば、赤塚不二夫とかですかね。

それだったら、「ドラえもん」の方が好きですね。赤塚不二夫って、結構アバンギャルドというか、難しいんです。もっと一目見て分かるものがいいんですよ。例えば、絵画などのアートは、知識があって楽しめる部分がありますよね。でも、自分はあんまり賢い人間じゃないから、リテラシーがなくても楽しめるものがいい。そこは自分の強みにできるかもしれないですね。とにかく一発で分かるものが作りたいんです。

坂本渉太

3月28日まで大阪のdigmeout ART&DINERにて初の個展を開催されていたようですが、どのような展示内容だったのでしょうか?

ポスターを16枚ほど繋げて大きな絵にした作品と、A3くらいのサイズで出力したキャラクターの顔を並べた作品、それと映像を展示しています。

グラフィックにも興味があるのですか?

やりたいですね。ていうか、何でもやりたいんです。まだ、自分が何をやりたいのか分からないんですよ。以前に「ピーマン太郎」という人形を作ったこともあるし、VJとかもやってみたい。モテそうですからね。「モテ」はキーワードです。

最後に、今後の展望について教えてください。

僕は今年29歳になるんですけど、去年はDVDを出したので「ホップ」、今年は「ステップ」でさらにレベルを上げて、来年30歳になる年で「ジャンプ」したいですね。その後は外国人相手に商売をして…。って妄想ですけど(笑)。でも、外国で仕事をしていると言えたりしたら、なんかスゴそうですよね(笑)。



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