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cookieboy | クッキーボーイ |

動物やシューズなど身近にある様々なモチーフから、ショップやブランドのロゴまで、あらゆるものをクッキ—で作ってしまう異色クリエイター、その名もcookieboy。通常では絶対に食べることができないモチーフを、ポップでカラフルなミニチュアサイズのクッキーに落とし込み、多くの人々の目と舌を楽しませてきた彼は、つい先日、原宿のROCEKETで、自身初となる個展を開催。この経験によって、活動の幅を大きく広げていきそうなcookieboyこと夏山孟浩を取材した。

Text:原田優輝

cookieboyとしての活動を始めたきっかけは?

もともと、高校、大学とテキスタイルデザインを学んでいました。卒業後もテキスタイルの会社に就職しようと思って上京したのですが、なぜかお菓子やパンの方に興味がいってしまって(笑)。お菓子を作ることは昔から好きだったのですが、東京で暮らし始めて、自炊をするようになったこともあり、ハマっていったんです。でも、たくさん作っても自分たけでは食べきれないので、人にあげるようになったのですが、それが好評で。その頃に、友人がやっている「VERO TWIQO」という靴の展覧会に合わせて、ブーツ型のクッキーを作り、プレゼントしたことがあったんです。そうしたら、その展示会の会場だったギャラリーの方にも気に入られて、ギャラリーに来てくれた人にあげるためのクッキーを作ったりするようになりました。その辺りから徐々に今のような活動をしていくようになりました。

そこから現在にいたるまでの主な活動を教えてください。

その靴のデザイナーとコラボレーションを続けながら、ネクタイブランドgiraffeのパーティのためにクッキーを作ったりしました。その後、1年くらいパン屋に就職したのですが、その間も展覧会のレセプションやショップのアニバーサリーイベント用にオーダーが入ったりして、ちょくちょくクッキーは作っていました。その頃は、パン屋での仕事を終えてから家で作るという感じだったのですが、去年の8月に会社を辞めてからは、本格的に現在の活動をするようになりました。今はブランドやメーカーのパーティから、個人の誕生日やウェディングまで、色々なオーダーを頂けるようになり忙しいのですが、スゴく楽しいですね。

cookieboy

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テキスタイルの仕事にはあまり興味がなくなったのですか?

上京してお菓子を作るようになってからは、別にテキスタイルの会社に入らなくても、自分がやりたいことは表現できるんじゃないかと思うようになりました。特にクッキーは、自分が描いた下絵をそのままカタチにしやすいし、色も意外に出せるので合っているなと思ったんです。

それまでに学んでいたテキスタイル・デザインが役に立っているところはありますか?

そうですね。大学の頃は、シルクスクリーンとかもやっていたのですが、1面ずつ色を塗っていく感じとかは、今もかなり参考になっているところがあります。テキスタイルをやっていた頃から、モチーフは動物などの生き物が多かったので、その辺も変わっていません(笑)。クッキーを始めた頃は、食べられないものをクッキーにしたいという思いが強かったので、そういう意味でも動物は良かったんだと思います。その他では、和風のモチーフや食器などのクッキーも作るようになりました。普通のクッキーでは見ないようなものを作っていきたいんです。

そうしたモチーフへのこだわりはどういうところからきているのですか?

実際の世界にあるものを、ミニチュアサイズにして、クッキーに落としこみたいんです。だから、なるべくそのモチーフを忠実に表現できるように心がけています。実際にあるものが、ミニチュアになった時の喜びというのがあるんです。例えば、最初に作ったブーツのクッキーなんかも、あれだけ大きなものを手のひらサイズにして並べたりすると、スゴくうれしい(笑)。しかも、それが食べられるというのが、特別な感じがするんですよ。

これだけさまざまな造形をクッキーで作ることができるのがスゴいですね。

最近はかなりイメージ通りに色々なものをカタチにできるようになってきたので、今後はもっと立体的なものも作っていけたらと思っています。モチーフをリアルに表現するためには、下絵の段階からしっかり作ることが大切で、そこを適当にやってしまうと、出来上がりもよくないものになって、おジャンになってしまったりするんです。だから、下絵の段階から出来上がりをちゃんと想像しながら作っています。基本的に絵を描くことが好きなので、下絵を描く作業はとても楽しいですね。

cookieboy
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制作工程について教えてください。

まずはお客さんからモチーフやイメージ、予算の希望などを聞いて、参考になる写真やロゴがあればそれも送ってもらいます。そこから型にする下絵を起こし、それを確認してもらって、OKが出ればクッキーの制作に入ります。クッキーを作る際には、生地の種類や厚さなどを色々試しながら、おいしさも追求していきます。クッキーの生地には、グラニュー糖や粉糖などが使われることが多いのですが、僕はきび砂糖を使っています。粉糖とかの方が割れにくいそうなのですが、僕はおいしいクッキーを作りたいので、コクが出るきび砂糖がいいんです。生地を焼いたら、その上に砂糖を塗って完成です。焼いてから乾燥させるまでにかなり時間が必要なので、仕上がるまでに計3日くらいはかかります。

現在はその作業をすべてひとりでやっているのですか?

梱包などは友達に頼んだりもしますが、クッキー作りに関しては、現時点ではひとりでやらざるを得ないという状況です。もっと量産したいとも思うのですが、クオリティは下げられないので。ただ、ウェディングなんかだと、同じものを100~200個作らなくてはいけないときもあるので、なかなか厳しいですね(笑)。

cookieboy

作品を通して伝えたいと思っていることなどがあれば教えてください。

クッキーを作っていて一番うれしいのは、箱を開けたときに喜んだり、驚いてもらえたりすることです。だから、特に何か意味を込めたいとは考えていません。持って帰って純粋に楽しんでもらえたら、それでいいと思っています。

これだけ時間をかけて作っているものを、作品として残しておきたいという思いはないのですか?

自分で気に入ったものは、残したりもしていますよ(笑)。ちゃんと袋とかに入れておけば、結構保存できるんです。でも、食べてなくなるものだからこそ、どんどん新しいものが作れるのかもしれません。常にもっと良いものを作っていきたいというのがモチベーションにもなっているので、写真で残せれば、あとは全部食べられてしまってもいいのかなと。

cookieboy

先日、ROCKETで開催された個展は、そうした普段の活動とは少し意味合いが違うものだったのではないですか?

そうですね。結局、個展で作ったクッキーも全部捨ててしまいましたが(笑)、実際に展示をしてみて、自分はこういうことがやりたかったのかなと思いました。「次はもっとこうしたい」というような部分も色々出てきたし、周りの人からもたくさん意見が聞けて、とても勉強になりました。

cookieboyとしてはこれが初個展ということですが、どのような展示にしようと考えていたのですか?

ギャラリー側からは好きにやってほしいと言われていたので、昔から好きだった動物などの生き物のモチーフで何か楽しいことができないかなと思い、「サーカス」というテーマを設定しました。当初は、手の込んだ細かい作品をたくさん作って飾ろうかなと考えていたのですが、せっかくギャラリーでやるのだから、空間を活かしたものにしたいと思い直し、大きな作品を作っていきました。今回はクッキーだけではなく、例えば、紙と砂糖を使ったスカートを作り、それを人形型のクッキーに着せたりもしてみました。

最後に、今後の予定やこれからやってみたいことがあれば教えてください。

まだ未定ですが、アクセサリーブランドとコラボレーションした展示会やカフェでのワークショップ等もするかもしれません。デザイナーやイラストレーターなど、色々な分野の人たちともっとコラボレーションしていきたいですね。アニメーションや絵本、写真などにも興味があります。分野にとらわれず、いろいろな事をしていきたいですね。

cookieboy

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