loading...

PUBLIC-IMAGE.ORG

Creators Dictionary for Realtime Culture

  • PUBLIC-IMAGE.STORE
  • PUBLIC-IMAGE.3D

CHRISTOPHE COPPENS | クリストフ・コパン | Fashion Designer

ベルギー王室御用達帽子デザイナーでありながら、歌手のリアーナベス・ディットーへのシアトリカルな作品提供も行い、伝統と革新、保守と前衛などという語り尽くされたアンビバレンスに、ファンタジーの魔法をかけるクリストフ・コパン。その表現は帽子やストールなどのファッションに留まらず、映像作品、はたまたギャラリーでのアート作品の展示など、ぐんぐん拡大中。昨年活動20周年を迎え、次の20年へ向けて一歩を踏み出した彼の頭の中を覗く。

Text:小柳美佳

最新コレクション(2012年春夏シーズン)もユニークな作品ですね。

今回のコレクションは「WOMAN OF THE FIELD 」がテーマです。太陽が昇って沈むまでの1日を追うというアイデアのもと、架空の部族を作り、彼らが行なう儀式を想定しながら帽子やアクセサリーを作っていきました。例えば、麦畑に寝転がって見上げた青空や夕焼けをプリントしたスカーフや、麦をイメージした色展開など、すべての作品が麦畑というテーマから出発しています。

籐を編み込んだ甲冑のような帽子というかヘッドドレスも、テーマを象徴しているように思えます。

今回は、架空の部族を作り上げてストーリーを展開していく手法だったので、部族の中の甲冑=強そうなイメージという風にふくらませていきました。


その甲冑のヘッドドレスは、バンドMolokoロイシン・マーフィーが出演するビデオ作品の冒頭にも登場していますよね。コレクションのビデオを作るのは今回で2度目だそうですが、ビデオ作品を作るのはどうしてですか? これだけ強い作品性がコレクションに表れているのに、必要性を感じますか?

ビデオの中では、ロイシンに何語でもない、現存しない言葉を歌詞にして歌ってもらっています。それも架空の部族がベースにあるから。たしかにコレクション自体に強いストーリー性があるのですが、ビデオはより僕の世界観を理解してもらえるツールのひとつだと思っています。ヴィジュアル面で訴える力が強いことはもちろん、ロイシンのようなミュージシャンに出て歌ってもらうことで、よりストーリーを強調できると思うんです。

ひとつのアイデアから、帽子やストールへはもちろん、映像にまで広げていく展開力には驚きます。その発想源はどこから来るのですか?

色やアイデアを書き連ねたアイデア帳みたいなものは、いつも持ち歩いています。いいアイデアが思いついた時にちょこっとデッサンしたり。実を言うと、今回も潜水服のようなヘルメット状のようなものに、つば広の帽子を被っている、という姿がフッとひらめいたんです。それがファーストアイデア(左下)。そこから麦畑、部族などという単語をピックアップしつつ、ストーリーを構築していきました。だから、どこから来るかと問われても、言葉では説明しづらいというか。

なるほど。今回のコレクションを見ていてもそうですが、コパンさんの作品は、大きな目玉やスカルが少々グロテスクに表現されたものがある一方、ベルギー王室の帽子デザインを手がけたり、対極なものが難なく共存しているように感じます。帽子という、特にヨーロッパでは正装に欠かせない保守的なアイテムと、それを軽やかに飛び越える自由さ。独創的ではあるけれど、決して奇を衒わずにエレガントに仕上げるバランス感覚については、ご自分で意識されていますか?

いいえ。自分にとってはそれが普通のことなので。例えば、奇抜なものだけを作るのは簡単です。でも、僕は伝統に裏打ちされた技術を心から尊敬していますし、帽子を被った人を美しく見せるのが第一義。独創性と仕上がりのバランスが取れているのは僕としては当たり前のことなんです。

ファッションにおいて、コパンさんが重要視しているのも、身につけた人が美しく見えるように、ですか?

そうですね。身につけた人が美しく見えるよう、そしてその人の個性を強調し、心地よさを感じてもらえるよう願っています。

ヨーロッパのように帽子に対しての歴史や決まり事がない日本ですが、最近は帽子がおしゃれの一部として浸透した感があります。制約がない分、自由に被れるとは思うのですが、コパンさんはどう見ていますか?

たしかに日本人の帽子への関心度は変わりましたね。日本の人は装飾小物としていろいろ被ってくれるのが興味深いです。ヨーロッパではどうしても儀式的な意味合いが生じてしまうので、カジュアルに帽子を被ってくれるのはとても面白いです。

それがコパンさんの意図しない被り方でも?

もちろん! 帽子にスカーフを巻いたり、腰にくっつけちゃったりと、ユニークで自由なのは見ていて楽しいですよ。僕は、もちろんシャネルに代表されるようなクラシカルなスタイルも好きですが、自由な発想は大歓迎です。

昨年は活動20周年を迎えられました。おめでとうございます。

昨年のことだからもう忘れてしまいました(笑)。常に前を向いていたいので。今年12月には『HOME/WORK』と題した2冊組の本を出版する予定です。HOMEには僕の生活を、WORKには仕事をたっぷり詰め込みます!

DICTIONARY

RELATED