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Film『パーク アンド ラブホテル』 | パーク アンド ラブホテル Review

子供たちはすべり台やシーソーで遊び、お年寄りはベンチで将棋を指し、ちょっとだけヒッピー風情の青年たちはジプシーミュージックを奏でている。どこにでもありそうな公園の風景だが、それがラブホテルの屋上にあるという設定が利いている。廃墟ではなく、現役の。

Text:須永貴子

誰が、なぜ、何のために作った公園なのか? そんな疑問、というよりも興味をうっすらと感じながら、観客はラブホテルの女主人・艶子の一挙手一投足を追う。
艶子の毎日は、ホテル前の掃き掃除から始まる。ラブホテルの業務をしながら、屋上を近隣の住民に開放する。けれど、そこに、とりたてて温かい交流はない。彼女が彼らと触れ合うのは、帰りの合図の時程度だ。

そこを訪れる3人の迷える女性たちと艶子の3編のストーリーが、1本の映画に編み上げられている本作。3人とも自分の問題に触れられたくないからか、艶子への興味を引き金に三者三様の先制パンチを繰り出していく。艶子はイラッとしながらも、そのパンチを「好きにしなさい」と受け止める。
そんな艶子のスタンスが魅力的だ。人から距離をとってクールに生きているようで、公園を開放していることや、後からわかるその理由から明白なように、実は大きな懐の持ち主である。「しょーがないわねぇ」というセリフはないけれど、どこかの誰かが散らかしたゴミを、毎朝のように掃き集めて捨てるシーンは、艶子という人間の役割を象徴しているかのよう。彼女はきっと「ゴミが散らかってたら、売り上げに響くでしょ」と、ドライに切り返すだろうけど。

ややトリッキーな設定を「ありえないわけじゃない」と感じさせるのは、艶子をはじめとする人間描写がリアルだから。女性の物語でありながら、都市と人間の感情の揺れは、女性映画の枠を超えてゆく。脚本、そして演出の双方で、新人離れした地力を感じさせる熊坂出。ベルリンが認めたのは、そこだろう。


パーク アンド ラブホテル
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