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MUSIC『LUSH』/ あらかじめ決められた恋人たちへ | CD Review

ピアニカ奏者・トラックメイカーの池永正二率いるダブユニット、あらかじめ決められた恋人たちへ。一度聞いたら忘れない名前のインパクトに勝るとも劣らない、圧倒的なライブパフォーマンスは、各地でオーディエンスを熱狂させ続けている。そんな話題沸騰の”あら恋”が、CDとDVDの2枚組”フェイクメンタリー”ライブアルバム『ラッシュ』をリリースする。

Text:小島直子


本作は、今年2月に渋谷LUSHにて開催された公開ライブレコーディングの模様をCDとDVDにした、初のバンド編成でのレコーディングによるライブアルバムだ。あえて虚構を見せて事実を作り上げる「フェイクメンタリー(モキュメンタリー)」をコンセプトに掲げ、ただのライブ音源には終わらない作品に仕上がっている。
もともと、池永のソロ・プロジェクトである「あら恋」は、「アルバムとライブとのギャップを見せていきたい」という考えにより、アルバムでは自らが制作したトラック主体、ライブではサポートメンバーと共にバンドセットでの演奏というスタイルが貫かれてきた。この『ラッシュ』は、その”バンド”としてのあら恋を音源化してほしいという多くの声に応えて完成した作品でもあり、 これまでのアルバム以上に、唯一無二の「あら恋」サウンドが色濃く確立されている。

スカーンと突き抜けたドラムス、咆哮するベース、ノスタルジックなピアニカ、叙情的なテルミン。
ダブ、ロック、エレクトロニカを内包しつつ、混沌とした世界観は時に穏やかで、時に狂気をはらみ、中毒にかかったように私たちを惹き付けてやまない。特にM2~M4にかけての静と動が入り乱れたような展開には、鳥肌が立つ程感情を揺さぶられる。
また、雑踏、チャイム音、子供の声、車内アナウンスといった様々な生活音がドラマティックに使われ、「音楽で映画を作りたい」と語っていた池永の思いも、このアルバムの随所に散りばめられている。

さらに、前作「カラ」に続き、林絵美子がデザインを手掛けたジャケット、ブックレット、B4判ポスターなど、こだわりのアートワークにも注目したい。

あらかじめ決められた恋人たちへ


あらかじめ決められた恋人たちへ
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