
BOOK『ten_do_ten』点/ten_do_ten|絵本『ten_do_ten』レビュー
西麻布のギャラリースペース、CALM & PUNK GALLERYによるオリジナル書籍シリーズ「CALM & PUNK Book」第1弾は、点/ten_do_tenによる絵本『ten_do_ten』だ。
今作は、作家自身のホームページで公開された10,000点を超えるアーカイブから選りすぐりの図版が大胆に配された珠玉の一冊となっている。
Text:石井幸太
点/ten_do_tenのピクセルアートは、いずれも赤・白・黒のみという限られた色彩と、モチーフがギリギリ判別できる程度の必要最小限のピクセルで構成されたものが多く、その一貫したミニマリズムには、どこか「侘び・寂び」のような和の雰囲気さえも感じさせる。
そんな彼の作品が、紙面をはみ出る程にまで拡大され、なおかつピクセルアート本来の縦横垂直のルールを覆す、“斜め”に配置された構成となっており、どのページにも幸福な躍動感がみなぎっている。
この型破りな構成、彼独特の大胆な省略は、デジタル表現であるはずのピクセルアートを直接感情に訴えかけるようなエモーショナルなものへと昇華させ、嬉しさや楽しさと言ったポジティブな感情が、ページをめくる度に流れ込んでくる。
点/ten_do_tenは、これまでも様々な媒体でピクセルアートを展開してきたが、絵本という普遍的な媒体に定着されたことで、グラフィック本来の持つ力強さが遺憾なく発揮され、作品の持つ無邪気さや洗練された美意識も増幅して感じられ、一層魅力的なものとなった。
ストーリーもなく、一貫してピクセルのみで描かれたシンプルな絵本は、時代を超えて愛される一冊になりそうだ。



Release Information
『CALM & PUNK Book #1 点 ten_do_ten』
著者 : 点/ten_do_ten
出版 : CALM & PUNK Inc.
リリース日 :September 1,2009
Artist Profile
点/ten_do_ten
点が点を点々とピクセル・デザインする、ジャパニーズ・ピクセル・デザイナー。武蔵野美術大学在学中より松本弦人氏に師事。1995年デラウエアに参加。2001年脱退。2001年、9.11以後、ウェブサイト「ten_do」をスタート。ドメスチックに、セクシーに、クラフティに、クレイジーに、ストイックに、日々点々デザイン中。携帯電話のインターフェイス・装丁・エディトリアル・ CDジャケット・ウェブ等、 国内でのデザイン、コラボレーションワークの他、海外でのクライアントワーク・エキシビジョンにも多数参加。













