
Jules Julien Exhibition | 『CADAVRES EXQUIS』ジュール・ジュリアン
今や世界中から注目されている街、東京。そんな東京をパリ在住のアーティスト/イラストレーター、ジュール・ジュリアンが、ファッションという側面から表現した展覧会がDIESEL DENIM GALLERY AOYAMAで開催されている。今回は、かねてよりドローイングやデザインをメインとした作品が世界中のメディアやギャラリーから高く評価されていた彼の日本初個展となる。「CADAVRES EXQUIS/優美な死骸」と名付けられたこの展覧会で、果たしてどんな”今日の東京”と出会えるのだろうか?
Report:日比野紗希
Exhibition Photo:ken kato
展覧会のコンセプトは「東京、めまぐるしく変化するファッション-個性の探求」。「常に変化し続ける個性豊かなファッションセンスが東京のエキサイティングな魅力だ」と話すジュリアン。その話の通り、会場で一段と目を引く巨大スクリーンには、身体、洋服、アクセサリーの映像がランダムに映し出され、何百通りものスタイルが次々と生み出されては移り変わっていく。まさに、はかなくも変容し続けるファッションムーブメントのめまぐるしさを感じさせる。ちなみにこのスクリーン、夜になると向きを変え、外の月明かりに照らし出されるという美しいインスタレーションとなっている。



洋服やアクセサリー、ヘアスタイルなどを自己流でアレンジし、組み合わせていく感覚にインスピレーションを受けた今回の作品は、ファッション雑誌のモデルの写真をバラバラのパーツに分解し、身体、洋服、アクセサリーなどをもう一度繋ぎ合わせることで、単なるファッションの枠を超えた彼独特の世界観が体現されているのだ。

ピンクに黒という一見愛らしく甘い印象を抱かせる作品も、よく見ると頭がうなだれたり、ドクロが描かれていたりと毒々しい。古いものは廃れ、今あるものもいずれは消えていくというファッションムーブメントと同様、外見の美はいずれ朽ちていくというメッセージが込められている。そして一番特徴的なのが、彼の作品にはひとつとして真正面からの顔がないことである。その理由は、彼の作品の根底となっているランボーの言葉、「Je est un autre (私は他者である)」に隠されているという。「私とは見知らぬものである」という意味のこの言葉からは、外見の美しさを超越した人間の内面性、つまり個性というものを探求し続けるジュリアンの意識を垣間見ることができる。


かつて原宿を拠点にブームを巻き起こしたストリートカルチャーをはじめ、ギャル、オタク、コスプレ、ロリータなど世界中に強烈なインパクトを与え続けてきた東京カルチャー。かたや昨今の日本のファッショーンシーンを盛り上げるリアルクローズ旋風。ジュリアンの作品は、東京のオリジナリティを表すとともに、よりリアルな東京を日本人に示唆しているのかもしれない。彼の作品と対峙して、あなたも見えない自分の内面性を探ってみてはいかがだろうか。

Exhibition Information
『CADAVRES EXQUIS by Jules Julien』
May23 2009 – Aug 2 2009 at DIESEL DENIM GALLERY AOYAMA
Artist Profile
Jules Julien (ジュール・ジュリアン)
1975年生まれ。アーティスト/イラストレーター。パリ在住。フリーのアートディレクターを経て、2006年より、ドローイングやデザインをメインに作品作りをスタートし、メディアやギャラリーの注目を浴びるようになる。近年では、Gallery Margalef&Gipponi(アントワープ、2007年)やGallery Antebellum(ハリウッド、2008年)でのグループ展にも参加している。2009年にはDIESEL DENIM GALLERY AOYAMAでの個展に加えフランスで2つの展覧会の開催が決まっている。(Nuit Blanche/10月、Galerie Choiseul/12月)












