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Exhibition 『愛についての100の物語』 | 金沢21世紀美術館 開館5周年記念展

日本を代表する建築事務所SANAA(妹島和世+西沢立衛)が手がけた、全周ガラス張りの円の内側に大小方形の展示室を配した開放的な構造。建築はもとより、チャレンジングな企画展開の数々で、“先鋭建築の地方美術館”の日本における先駆・成功例として名高い、金沢21世紀美術館。その開館5周年を飾る大規模企画展のテーマは“愛”だという。なぜいま愛なのか? 愛とアートの関わりとは? 湧き上がる謎を胸に、開幕初日の会場を訪れた。

Text:深沢慶太


「あい 口で言うのはかんたんだ
 愛 文字で書くのもむずかしくない」

この2行から始まる、詩人・谷川俊太郎の詩『あい』。展覧会チラシや会場内の冊子に掲載されたこの詩から、「“答え”を提示する」企画ではないことを予感していた。それぞれ独立した展示室を回廊がつなぐ美術館の構造上、来場者は自由な順番で各作品をたどることができる。つまり本展は、順序立てた構成で「愛とは何か」という“答え”を導くものではない。展覧会それ自体が、見る者自らが愛について感じ、考え、それぞれの“物語”を紡いでいくための仕掛けに満ちた、“装置”なのだ。

島袋道浩 舟越桂



ラファエル・ロサノ=ヘメル



塩田千春



山本基



鈴木ヒラク Shing02



会期を通し開催されるトークやパフォーマンス、朗読やライブなどのイベントは、のべ100回を超える。展示やそれらイベントを貫くキーワードは「オープン・ダイアローグ」。まさに、「心を開いて対話すること」を、“愛の端緒”として投げかけているようにも捉えられる。作家や関係者、来場者など、すべての人々が織りなす交信から生まれる無数の“物語”に思いを馳せ、時に共有し、記憶に刻み、その関係性のうちに生きていくこと。教条やレッテルに満ちた権威的な“美術館”像はここにはない。“開かれた美術館”が放つ、“開かれたアート”の試みは、“開かれた社会”=“愛に満ちた世界”への試みでもある。


金沢21世紀美術館

Exhibition Information
金沢21世紀美術館 開館5周年記念展『愛についての100の物語』



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