
EXHIBITION Kosuke Tsumura 『MODE less CODE』 | 津村耕佑 『MODE less CODE』
壊れたiPod、パソコンのキーボード、それらにツタの様に絡まるケーブル類―。これらは、ファッションデザイナー津村耕佑による“織物”の様子である。ファッションブランド「FINAL HOME」で強いコンセプトを打ち出した彼が、NANZUKA UNDERGROUNDにて『CODE less MODE』を開催中だ。使われなくなった工業製品が繊維となり、不思議な規則性を持つ造形が生み出されている。そこでは、編み物、パッチワークといった手作業の行為が、時間や空間までもを織り込んでいるように感じられる。
Text:大島智子

『dragon stole』(2010)
まず目に飛び込んで来るカラフルな織物は、全て工業用、梱包用のロープからなる。一見して民族衣装のような暖かみを感じるのは、無機質なロープ達が、手編みという手法によって命を与えられたからなのかもしれない。



『code blanket』(2010)
LANケーブル、電源コード、i Pod、キーボード―。使い道のないであろう産業廃棄物からなるブランケット。実際にブランケットとしての機能も持つが、重く、身体に痕を残す。何年か経てば、使用された工業製品は古く見えるだろう。それは流行の衰退とはまた別のメッセージを残すはずだ。


(左上)『code blanket record 1』(2010) (右上、下)『codelace record 2』(2010)
展示された作品を着用した様子が写真に収められている。写真とともに並ぶ工業製品の部品や割れた鏡は、「機能しなくなったメディア」を表す。身体に重くのしかかる作品と、切り取られた部品の対比は、まるで自己の分離と補いを繰り返す、人間の宿命のようなものを感じさせる。

『mirror style』(2010)
毛に覆われた手鏡。先の鏡と同様に、ここでも覆われた手鏡は割れている。

『oracle code』(2010)


(左)『codelace』(2010) (右)『love code』
今回津村は、苦手であるという編み物を、自らの手で行った。その労力と時間が、工業製品という無機質な物体に命を与えている。今回の展示において、編み物は手法ではなく儀式に近いものなのではないだろうか。そして、その儀式に、目には見えない我々の周囲に飛び交う現代の時を繊維に変えてしまう強さと愛情を感じる。時間や経過を強く想起させる『CODE less MODE』は、第六感へも語りかけるだろう。

Exhibition Information
『CODE less MODE』
February 20 2010 – March 20 2010
at NANZUKA UNDERGROUND
Artist Profile
津村耕佑
1959年生まれ。1982年に装苑賞を受賞し、1994年に三宅デザイン事務所より、自身のブランド「FINAL HOME」を立ち上げたファッションデザイナーとして広く知られる。「FINAL HOME」では、究極の家は服であるという考えを具現化した都市型サバイバルウエアーといったコンセプトを掲げ、そのクリエイティブ性はファッション分野のみに留まらず、表現ジャンルを超え広く評価を受けている。2008年より武蔵野美術大学空間演出デザイン学科教授をつとめる。











