
「Girlfriends Forever!」
「美術大学には女性が多いのに、アーティストとして活躍し続ける女性が少ない(ように見える)のはなぜでしょうか?」
そんな問いかけのもと、GEISAI#6にて金賞を受賞した『えびちり大好き』をはじめとする個性的な自画像や、ウーパールーパーをモチーフにした作品で知られ、若手アーティストの中でもひときわ目立つ活躍している松井えり菜と、火事にみまわれた家族の思い出の品を展示し、鑑賞者に譲ろうとする少女の存在を作り上げた『澤田家の火事』などのコンセプチュアルな作品で知られる村上華子がキュレーターを務めた展覧会「Girlfriends Forever!」が、トーキョーワンダーサイト本郷において開催された。本展では同世代の作品を広く紹介するとともに、すでに長く活躍しているアーティストも迎えて女性アーティストの来るべき未来像を考えるための展覧会として、様々な試みが行われていた。
Text&Photo:谷浦龍一
会場は「昼の部屋」と「夜の部屋」で構成されている。個性的で華やかなイメージがある一方で、長く制作を続けることは決してやさしいことでもない作家生活の光と闇の二面性がそれぞれの部屋で表現されている。明るいBGMが流れる一方で、遠くから夢幻的な時計の振り子の音が聞こえてくる。


松井えり菜「frill」
ファッションブランド「シアタープロダクツ」とコラボレートした作品。松井自身が「ある意味、パースペクティブな自画像」と語る本作、衣装のみならず彼女の背後にあるウーパールーパーの作品にも同ブランドの布地が使用されている。

モム&ノエス「MOHAI」
モアイ像を2人で運ぶという内容の映像作品。コミカルな内容にも思えるが、独特な間合いで進行していく映像は真剣に見入ってしまう。


長井朋子「Pajama Party」
ファンシーな色合いで可愛らしい作品だが、使用されている「ラメ」は作家曰く、「吹きつけることによって寿命が縮まる(肺に入ってしまう)」らしい。きらびやかにすればするほど、体を蝕んでしまう。まさに光と闇が表裏一体となっている。


村上華子「Imaginary Boyfriends」
「別れた恋人はどういう人でしたか?」というインタビューをもとに、元似顔絵捜査官に想像画を描いてもらった作品。それぞれ想像画の裏面には実際のインタビューの答えが記されている。夢へと向かうようなふわりと浮かぶベッドの幻想的な側面と、「寝る前に、ふと、元彼の顔を思い出す」という女性のリアルな側面が対照的で、そこに女性の光と闇を感じられた。

松原慈「Whereabouts」
存在と不在をテーマにした作品、窓のように見えるが実際はそこに光は無く、プロジェクターによって映し出されている。カーテンの前に立つことによって陰が生まれ作品に介入することができる。
ただ単にかわいい、きれいといった作品はひとつとしてなく、一見メルヘンな会場の雰囲気とは裏腹に、展示されている作品はどこかシリアスで、女性らしい強さ、しなやかさを感じることができるものばかりだった。
「今回集まった作家が意外なところで接点があったのと同じように、作品にも偶然リンクする点があって、どこか重なり合う感じがガールフレンズっていう言葉を強めている」と企画者2人は語る。
光と闇は、決して切り離せない存在である。女性作家たちの縦横につながりが広がっていく過程を体感できたと同時に、アーティストとして、女性としての不安を抱えながらも活動を続けていくという、強い信念を感じることができた展覧会だった。

Exhibition Information
「Girlfriends Forever!」
February 26 2011 – March 27 2011
at tokyo wonder site HONGOU
参加作家:松井えり菜、村上華子、今津景、金森香(シアタープロダクツ)、小平透子、辰野登恵子、津田道子、長井朋子、中村友紀、松原慈、モム&ノエス








